転職サイトは複数同時に利用するのが一般と言われていますが、転職エージェントの場合は注意が必要です。
利用したい転職エージェントが決まらなければ、まとめてたくさん登録しておけばいいのではないかと思いますよね。
たしかに複数利用するメリットはありますが、その裏にあるデメリットや注意点を知っておくに越したことはありません。
この記事では、「複数利用のメリット・デメリット」から「失敗しないための注意点」について紹介します。
転職活動経験者のほとんどが2社以上の転職エージェントを利用している
転職活動経験者の70%以上が、2社以上の転職エージェントを利用しているといった統計データがあります。

この話を聞いた転職初心者の人は「とりあえず2つの転職エージェントに登録しておこう」と思うかもしれません。
しかし複数利用をしないほうがいい人もいるため、まずは複数利用のメリットとデメリットについて知っておきましょう。
転職エージェントを複数利用するメリット

転職エージェントを複数利用するメリットは、大きく分けて2つあります。
- 各エージェントが持つ独占求人を紹介してもらえる
- 組み合わせ次第でエージェントごとの弱点を補える
他にも細かいメリットはありますが、この2つを押さえておけば知識としては十分です。

各転職エージェントが持つ独占求人を紹介してもらえる

転職エージェントの特徴に、他のエージェントや転職サイトでは紹介されていない独自の求人があることが挙げられます。
利用する転職エージェントの数を増やせば、そのぶん紹介してもらえる独自求人が増えるということ。
たくさんの求人にアクセスできると、めったにでない優良企業の求人やより希望に近い企業へ応募するチャンスも増えます。
とにかくいろいろな企業を受けてみたいという人には、複数利用で求人数を増やす作戦が向いているでしょう。
組み合わせ次第でエージェントごとの弱点を補える

転職エージェントには、得意な分野もあれば苦手な分野もあります。
そのため複数の得意分野が異なるエージェントを組み合わせて、互いの苦手な分野をカバーし合いましょう。
たとえば利用中のエージェントにおいて希望する地域の求人が少ない場合は、他のエージェントを組み合わせると求人数を増やせます。
他にも年収アップ目的の転職であれば、日系大手企業に強いエージェントと外資系企業を扱うエージェントの組み合わせもベストです。
組み合わせ方次第で転職活動の可能性を広げられるため、転職目的がはっきりしている人にとってメリットは大きいといえます。
転職エージェントを掛け持ちするデメリット

転職エージェントを掛け持ちするメリットの裏には、次のデメリットが存在します。
- サポートの対応が悪くなるかもしれない
- 転職活動にかかる手間や時間が増える
- 各エージェントからひっきりなしに連絡が来る
- 選べる求人が多すぎて決められない

サポートの対応が悪くなるかもしれない

転職エージェントは、紹介した企業に転職希望者が入社するとお金が入るビジネスモデルです。
複数の転職エージェントを利用している人を手厚くサポートしても、他社を使って転職されると利益はゼロとなります。
それなら自社だけを利用している人を厚遇したほうが、利益を出せる可能性が高いのは当然ですよね。
自分の成績を気にするアドバイザーが担当になっている場合、サポートの対応が悪くなってしまう可能性があります。
転職エージェントもビジネスである以上、見込みが薄い客への対応が悪くなるかもしれない点について注意が必要です。
転職活動にかかる手間や時間が増える

転職エージェントをひとつだけに絞って利用していれば、ひとりで転職するよりも手間や時間の面でラクになります。
しかし複数の転職エージェントを同時並行で利用すると、以下の問題が発生することを覚えておいてください。
- 面談の回数が増える
- エージェントごとのスケジュール管理
- 重複して応募している企業のチェック
- 各アドバイザーとのやりとり
利用する転職エージェントの数が増えるほど、同じことを何度も繰り返さないといけないため手間が増えます。
エージェントごとにスケジュールが重複しないか調整しないといけないし、同じ企業への重複応募も気をつけないといけません。
ただでさえ忙しい転職活動がさらに忙しくなるため、精神的に余裕がない状態になりがちです。
各エージェントからひっきりなしに連絡が来る

転職エージェントを複数利用している人の不満に、各エージェントからひっきりなしに連絡が来て嫌になるという点が挙げられます。
ひとつのエージェントだけの人でも「連絡が多くて疲れる…」といった不満があるため、複数利用ではよりストレスに悩まされることでしょう。
面倒だからといって無視するのは最悪で、今後二度と同じ転職エージェントを利用できなくなります。
転職活動を成功させるために複数利用をしたはずなのに、連絡のストレスでうまくいかなくなるのは本末転倒ですよね。
選べる求人が多すぎて決められない

転職エージェントの複数利用のメリットでもある求人の選択肢が増える点は、裏を返せばデメリットでもあります。
応募できる求人数が多いと「もっと条件のいい求人があるのではないか」と考えてしまい、決められなくなってしまうからです。
実際に立正大学心理学研究所の論文にて、多すぎる選択肢は全てを魅力的に感じさせる旨の論文が発表されています。
魅力度については6種類条件と比較して24種類条件においてより高く評価されることが明らかにされた。
引用元:選択肢数と選択の繰り返しが選択結果の主観的満足度に与える影響(立正大学)
選べる求人が多すぎると目移りしてしまうことで、適切な判断を下せなくなってしまうジレンマがあるということです。
そのため、すぐに応募できる求人数は多くても5件以下にとどめておくことが適切だといえます。
エージェントを複数利用すると簡単に10件を超えてしまうため、求人数増やしはリスクがあることを覚えておきましょう。
転職エージェントの複数利用で失敗しないための注意点

転職エージェントの複数利用について、メリット・デメリットを理解したら失敗しないための注意点も知っておきましょう。
複数利用で失敗しないためにおさえておきたいポイントは、同時並行で利用しないことです。
同時並行で転職エージェントを利用していくと、先で紹介したデメリットの影響をモロに受けます。
忙しさが苦にならない人であれば問題ありませんが、仕事を続けながら転職活動をするには向いていません。
おすすめは乗り換えでデメリットを打ち消す方法
複数の転職エージェントを同時並行ではなく、エージェントを乗り換えていくことで同時並行のデメリットを打ち消せます。

今利用しているエージェントで納得のいく結果が出なければ、別の転職エージェントに乗り換えるだけ。
このとき利用しない転職エージェントに対しては、アドバイザーへ転職活動を中断する旨を伝えるか退会手続きをしてください。
アドバイザーからの連絡を一方的に無視してしまうのはおすすめしません。
また同じ転職エージェント利用したくなった際に断られる原因となるからです。
新たな転職エージェントとのやり取りに集中するため、利用しないエージェントへの連絡を忘れないようにしてください。
おすすめは転職活動の中断を伝える方法です。
理由はシンプルに「一身上の都合で転職活動を中断することになった」と伝えればOK。
退会だと再登録に手間がかかるため、再開する可能性があれば転職活動が終わるまでは籍を残しておきましょう。
転職エージェントを複数登録する際の理想的な組み合わせ
転職エージェント複数登録する際の理想的な組み合わせについて説明します。
シーケンス制御経験の有無によって理想の組み合わせが違うため、あなたの経験を元に確認してください。
この章を読む前に、以下の事前知識が必要です。
- 『特化型エージェント』…特定分野の求人に強みを持つ特化型の転職エージェント
- 『総合型エージェント』…全業種・全職種の求人を扱う総合型の転職エージェント
もっと詳しく転職エージェントの違いについて知りたい人は、以下の記事を参照してください。
未経験者向け転職の複数利用パターン
シーケンス制御未経験からの転職では、総合型エージェントを2つ同時並行することをおすすめします。
未経験者向けのシーケンス制御求人が少なく、同時並行してでも求人数を確保することが重要だからです。
なので転職活動を始めたら、総合型エージェントのdoda(デューダ)とリクルートエージェントに登録するとよいでしょう。
転職活動に慣れてきて、総合型エージェントでは希望の求人が見つからないとなれば、特化型エージェントの出番です。
総合型エージェントからの切り替えでおすすめの特化型エージェントが、シーケンス制御専門アドバイザーのいるメイテックネクストです。
3つ以上のエージェントを同時並行するのは余裕がなくなるため、他のエージェントを中断しメイテックネクストに絞って活動しましょう。
経験者向け転職の複数利用パターン
シーケンス制御の経験者であれば、次のパターンがおすすめです。
- 特化型エージェントと総合型エージェントの同時並行
- 特化型エージェントから特化型エージェントへ乗り換え
特化型エージェントと総合型エージェントの同時並行のメリットは、求人数が特化型の弱点を総合型で補える点が挙げられます。
特化型を利用していく中でしっくりくる求人が見つからないときに、総合型との同時並行を検討するとよいでしょう。
次に特化型エージェントから特化型エージェントへの乗り換えです。
それぞれの特化型エージェント強みが違うため、より自分に合ったサービスやアドバイザーに出会えるメリットがあります。
ただしアドバイザーと相性が合わない場合は、担当者を変えてもらうことも可能なので、まずは相談してみましょう。