【三菱】FR-D700インバータ|エラーコード&原因と対策一覧

三菱電機製のインバーターFR-D700シリーズのエラーコードの一覧です。

対象のインバーター型式
  • FR-D720-0.1K~15K
  • FR-D740-0.4K~15K
  • FR-D720S-0.1K
  • FR-D710W-0.1K~0.75K
目次

異常表示の一覧

区分操作パネル表示名称
エラーメッセージE—アラーム履歴
HOLD操作パネルロック
LOCDパスワード設定中
Er1~4パラメータ書込みエラー
Err.インバータリセット中
警報OLストール防止(過電流)
oLストール防止(過電圧)
RB回生ブレーキプリアラーム
TH電子サーマルプリアラーム
PSPU停止
MTメンテナンス信号出力
UV不足電圧
SAセーフティ停止中
軽故障FNファン故障
重故障E.OC1加速中過電流遮断
E.OC2定速中過電流遮断
E.OC3減速、停止中過電流遮断
E.OV1加速中回生過電圧遮断
E.OV2定速中回生過電圧遮断
E.OV3減速、停止中回生過電圧遮断
E.THTインバータ過負荷遮断(電子サーマル)
E.THMモータ過負荷遮断(電子サーマル)
E.FINフィン過熱
E.ILF *入力欠相
E.OLTストール防止による停止
E.BEブレーキトランジスタ異常検出
E.GF始動時出力側地絡過電流
E.LF出力欠相
E.OHT外部サーマル動作
E.PTC *PTCサーミスタ動作
E.PEパラメータ記憶素子異常
E.PUEPU抜け
E.RETリトライ回数オーバー
E. 5, E.CPUCPUエラー
E.CDO *出力電流検出値オーバー
E.IOH *突入電流抑制回路異常
E.AIE *アナログ入力異常
E.SAF *セーフティ回路異常

原因とその対策

エラーメッセージ (出力遮断なし)

操作パネル表示名称内容チェックポイント処置
HOLD操作パネルロック操作ロックモードが設定されているため、STOP/RESET以外の操作ができない状態になっている。STOP/RESETを2s長押しで操作ロックを解除できます。
LOCDパスワード設定中パスワード機能が設定されているため、パラメータの表示、設定ができない状態になっている。Pr.297 パスワード登録/解除にパスワードを入力して、パスワード機能を解除してから操作してください。
Er1書込み禁止エラーPr.77 パラメータ書込選択でパラメータの書込みが禁止中に設定をしようとした、周波数ジャンプの設定範囲が重複した場合、PUとインバータが正常に通信できていない場合。Pr.77 パラメータ書込選択の設定値を確認。Pr.31~Pr.36(周波数ジャンプ)の設定値を確認。PUとインバータの接続を確認。Pr.77 の設定値を確認、Pr.31~Pr.36の設定値を確認、PUとインバータの接続を確認。
Er2運転中書込みエラーPr.77=2(すべての運転モードで運転状態に関わらず書込み可)の設定で運転中、STF(STR)をONでの運転中にパラメータ書込みを行った。Pr.77 の設定値を確認。運転中ではないか。Pr.77=2にしてください。運転を停止してから、パラメータの設定をしてください。
Er3校正エラーアナログ入力のバイアス、ゲインの校正値が接近しすぎている場合。校正パラメータ C3、C4、C6、C7(校正機能)の設定値の確認をしてください。校正パラメータの設定値を確認し調整する。
Er4モード指定エラーPr.77=2の時に外部、NET運転モードにてパラメータ設定をしようとした、操作パネルに指令権がない状態でパラメータの書込みを行った。運転モードは「PU運転モード」となっているか。Pr.77 の設定値を確認。パラメータユニットが接続されていないか。Pr.551の設定値は正しいか。運転モードを「PU運転モード」にしてからパラメータ設定。Pr.77=2としてから設定。パラメータユニットを外し、Pr.551=“9999”(初期値)に設定。Pr.551=“4”に設定。

警報 (出力遮断なし)

操作パネル表示名称内  容チェックポイント処  置
Err.インバータリセット中RES信号や通信、PUからリセット指令を実行した場合。電源OFF時にも表示する。リセット指令をOFFしてください。
OLストール防止(過電流)加速・定速・減速運転中にインバータ出力電流がストール防止動作レベルを超えた場合に、過電流遮断を防ぐために周波数を自動調整している。Pr.0 トルクブーストの設定値が大きすぎないか。Pr.7 加速時間、Pr.8 減速時間が短すぎる可能性。負荷が重すぎる可能性。Pr.13 始動周波数が大きすぎないか。Pr.22 ストール防止動作レベルは適切か。Pr.0 トルクブーストの設定を1%程度ずつ増減させ、モータの状態を確認。Pr.7 加速時間、Pr.8 減速時間を長くする。負荷を軽くする。汎用磁束ベクトル制御を試す。Pr.14 適用負荷選択の設定を変更する。Pr.22 ストール防止動作レベルを上げるか、Pr.156 ストール防止動作選択で動作しないように設定する。
oLストール防止(過電圧)減速中にモータの回生エネルギーが過大となり、回生エネルギー消費能力を超えると、過電圧遮断を防ぐため周波数の下降を止めている。回生回避機能選択時(Pr.882=1)も過電圧遮断を防ぐため回転数を上昇させる。急減速運転ではないか。回生回避機能(Pr.882~Pr.886)は使用しているか。減速時間が変わる可能性があるため、Pr.8 減速時間で減速時間を長くしてください。
PSPU停止Pr.75 リセット選択/PU抜け検出/PU停止選択の設定により、PUのSTOP/RESETキーによる停止が設定されている。操作パネルのSTOP/RESETキーを押して停止させていないか。始動信号をOFFし、MODEキーで解除されます。
RB回生ブレーキプリアラーム回生ブレーキ使用率が、Pr.70 特殊回生ブレーキ使用率の設定値の85%以上となった場合に表示。100%に達すると過電圧(E.OV_)となる。ブレーキ抵抗の使用率が高くないか。Pr.30 回生機能選択、Pr.70 の設定値は正しいか。減速時間を長くする。Pr.30、Pr.70 の設定値を確認する。
TH電子サーマルプリアラーム電子サーマルの積算値が、Pr.9 電子サーマルの設定値の85%以上に達すると表示。規定値(100%)となると、保護回路が動作しインバータの出力を停止する。負荷が大きい、急加速運転ではないか。Pr.9 電子サーマルの設定値は妥当か。負荷量、運転頻度を低減する。Pr.9 の設定値を妥当な設定値にする。
MTメンテナンス信号出力インバータの累積通電時間が一定の時間経過したことを知らせる。Pr.504 メンテナンスタイマ警報出力設定時間が初期値(9999)の場合、この機能は機能しない。Pr.503 メンテナンスタイマの値がPr.504 の設定値より大きくなっている。Pr.503 メンテナンスタイマに「0」を書き込むと信号を消すことができます。
UV不足電圧電源電圧が約AC115V(400VクラスはAC230V、 100VクラスはAC58V)以下になるとインバータの出力を停止。電圧が正常に戻ると警報は解除される。電源電圧は正常か。大容量モータの始動はなかったか。電源など電源系統機器を調査する。
SAセーフティ停止中セーフティストップ機能動作中(出力遮断中)に表示する。セーフティストップ機能を使用しない場合、S1-SC間、S2-SC間の短絡用電線が外れていないか。セーフティストップ機能を使用しない場合、S1-SC間、S2-SC間を短絡用電線で短絡して運転可能状態にする。内部異常の可能性がある場合は販売店へ連絡。

軽故障 (出力遮断なし)

操作パネル表示名称内容チェックポイント処置
FNファン故障冷却ファンが故障停止したり、回転数が落ちたとき、またはPr.244 冷却ファン動作選択の設定と異なる動作をしたときに表示する。冷却ファンに異常はないか。ファンの故障が考えられるため、お買上店または当社営業所までご連絡ください。

重故障 (保護機能動作にて出力遮断)

操作パネル表示名称内容チェックポイント処置
E.OC1加速中過電流遮断加速運転中に、インバータ出力電流が定格電流の約200%以上になったとき、保護回路が動作し出力を停止する。急加速運転ではないか。出力短絡・地絡はないか。モータ定格周波数とPr.3 基底周波数の設定が合っているか。ストール防止動作レベルが高過ぎるなど。加速時間を長くする。出力短絡・地絡がないか配線を確認。Pr.3 基底周波数を適切に設定。ストール防止動作レベルを下げたり、高応答電流制限機能が動作する設定に変更する。
E.OC2定速中過電流遮断定速運転中に、インバータ出力電流が定格電流の約200%以上になったとき、保護回路が動作し出力を停止する。負荷の急変はないか。出力短絡・地絡はないか。ストール防止動作レベルが高過ぎるなど。負荷の急変をなくす。出力短絡・地絡がないか配線を確認。ストール防止動作レベルの設定を下げたり、高応答電流制限機能が動作する設定に変更する。
E.OC3減速、停止中過電流遮断減速中(加速中、定速中以外)に、インバータ出力電流が定格電流の約200%以上になったとき、保護回路が動作し出力を停止する。急減速運転ではないか。出力短絡・地絡はないか。モータの機械ブレーキ動作が早すぎないか。ストール防止動作レベルが高過ぎるなど。減速時間を長くする。出力短絡・地絡がないか配線を確認。機械ブレーキ動作を調査する。ストール防止動作レベルの設定を下げたり、高応答電流制限機能が動作する設定に変更する。
E.OV1加速中回生過電圧遮断回生エネルギーにより、インバータ内部の主回路直流電圧が規定値以上となり、保護回路が動作し出力を停止する。加速度がゆるやかすぎないか。Pr.22 ストール防止動作レベルを小さく設定しすぎていないか。負荷イナーシャが大きい用途でストール防止が頻繁に動作していないか。加速時間を短くする。回生回避機能(Pr.882~Pr.886)を使用する。Pr.22 を適切に設定する。Pr.154 ストール防止動作中の電圧低減選択 =“11”に設定する。
E.OV2定速中回生過電圧遮断回生エネルギーにより、インバータ内部の主回路直流電圧が規定値以上となり、保護回路が動作し出力を停止する。負荷の急変はないか。Pr.22 ストール防止動作レベルを小さく設定しすぎていないか。負荷イナーシャが大きい用途でストール防止が頻繁に動作していないか。負荷の急変をなくす。回生回避機能(Pr.882~Pr.886)を使用する。必要に応じてブレーキ抵抗器やブレーキユニットなどを使用する。Pr.22 を適切に設定する。Pr.154 ストール防止動作中の電圧低減選択 =“11”に設定する。
E.OV3減速、停止中回生過電圧遮断回生エネルギーにより、インバータ内部の主回路直流電圧が規定値以上となり、保護回路が動作し出力を停止する。急減速運転ではないか。負荷イナーシャが大きい用途でストール防止が頻繁に動作していないか。減速時間を長くする。制動頻度を減らす。回生回避機能(Pr.882~Pr.886)を使用する。必要に応じてブレーキ抵抗器やブレーキユニットなどを使用する。Pr.154 ストール防止動作中の電圧低減選択 =“11”に設定する。
E.THTインバータ過負荷遮断 (電子サーマル)インバータ定格電流以上の電流が流れ、過電流遮断に至らない状態で出力トランジスタ素子の温度が保護レベルを超えた場合、インバータの出力を停止する。加減速時間が短くないか。トルクブーストの設定値が適切か。適用負荷選択の設定が実機の負荷特性に合っているか。周囲温度が高すぎないか。加減速時間を長くする。トルクブーストの設定値を調整。適用負荷選択の設定を負荷特性に合わせて設定。負荷を軽くする。周囲温度を仕様以内とする。
E.THMモータ過負荷遮断 (電子サーマル)過負荷や低速運転中での冷却能力低下によるモータの過熱を、インバータ内蔵の電子サーマルが感知し保護回路が動作し出力を停止する。モータを過負荷で使用していないか。Pr.71 適用モータの設定は正しいか。ストール防止動作の設定は適切か。負荷を軽くする。定トルクモータの場合は、Pr.71 を定トルクモータの設定にする。ストール防止動作の設定を適切にする。
E.FINフィン過熱冷却フィンが過熱すると、温度センサーが動作し、インバータの出力を停止する。周囲温度が高すぎないか。冷却フィンの目づまりはないか。冷却ファンが停止してないか。周囲温度を仕様以内とする。冷却フィンの清掃を行う。冷却ファンを交換する。
E.ILF入力欠相Pr.872 入力欠相保護選択にて機能有効設定(=1)が選択されている時に、3相電源入力のうち1相が欠相するとインバータの出力を停止する。3相電源入力用ケーブルに断線がないか。3相電源入力の相間電圧アンバランスが大きくないか。配線を正しく行う。断線箇所の補修を行う。Pr.872 の設定値を確認。3相入力電圧のアンバランスが大きい場合、Pr.872=“0”(入力欠相保護なし)と設定する。
E.OLTストール防止による停止ストール防止動作により、出力周波数が1Hzの値まで降下し、3s経過した場合に、アラームを表示し、インバータの出力を停止する。モータを過負荷で使用していないか。負荷を軽くする。Pr.22 ストール防止動作レベルの設定値を確認。
E.BEブレーキトランジスタ異常検出モータからの回生エネルギー量が著しく大きいときなどで、ブレーキトランジスタの異常が発生した場合、インバータの出力を停止する。速やかにインバータの電源を遮断する必要がある。負荷イナーシャを小さくする。制動の使用頻度は適正か。ブレーキ抵抗器の選定は正しいか。インバータを交換してください。
E.GF始動時出力側地絡過電流始動時にインバータの出力側(負荷側)で地絡が生じ、地絡過電流が流れるとインバータの出力を停止する。Pr.249 始動時地絡検出有無により保護機能の有無を設定。モータ、接続線に地絡はないか。地絡箇所を復旧する。
E.LF出力欠相インバータ運転中(直流制動動作中、出力周波数が1Hz以下の場合を除く)、インバータの出力側3相(U,V,W)のうち、1相が欠相するとインバータ出力を停止する。Pr.251 出力欠相保護選択により保護機能の有無を設定。配線を確認する。インバータ容量より小さいモータを使用していないか。配線を正しく行う。Pr.251 の設定値を確認する。
E.OHT外部サーマル動作外部に設けたモータ過熱保護用サーマルリレーなどが動作(接点開)したとき、インバータの出力を停止する。Pr.178~Pr.182に設定値7(OH信号)を設定した場合に機能。モータが過熱していないか。OH信号が正しく設定されているか。負荷、運転頻度を低減する。リレー接点が自動復帰しても、リセットしない限りインバータは再始動しない。
E.PTCPTCサーミスタ動作端子2-10間に接続されたPTCサーミスタの抵抗値がPr.561 PTCサーミスタ保護レベル以上となった場合、インバータの出力を停止する。PTCサーミスタとの接続を確認する。Pr.561 の設定値を確認する。モータを過負荷で運転していないか。負荷を軽くする。
E.PEパラメータ記憶素子異常(制御基板)記憶しているパラメータに異常が発生したとき(EEPROMの故障)。パラメータの書込み回数が多くないか。お買上店または当社営業所までご連絡ください。通信などで頻繁に書込みを行う場合は、Pr.342の設定値を「1」にしRAM書込みとしてください。
E.PUEPU抜けPr.75 でPU抜け時にインバータ出力遮断を設定している時にPUの交信が中断した。RS−485通信でリトライ回数オーバーまたは通信が途切れた。パラメータユニットケーブルの接続不良はないか。Pr.75 の設定値を確認。RS−485通信データや通信設定が合っているか。Pr.122 PU通信チェック時間間隔内に計算機からデータを送信しているか。接続を確実に行う。通信データ、通信設定を確認。Pr.122 の設定値を大きくする、または“9999”に設定する。
E.RETリトライ回数オーバー設定したリトライ回数以内に正常に運転再開できなかった場合、インバータの出力を停止する。Pr.67 アラーム発生時リトライ回数を設定した場合に機能する。異常発生原因の調査。このエラー表示の1つ前のエラーの原因の処置を行う。
E.5, E.CPUCPUエラー内蔵CPUの通信異常が発生した場合、インバータの出力を停止する。インバータの周囲に過大ノイズを発生している機器などはないか。インバータの周囲に過大なノイズを発生する機器などがある場合、そのノイズ対策を行う。お買上店または当社営業所までご連絡ください。
E.CDO出力電流検出値オーバー出力電流がPr.150 出力電流検出レベルの設定値を超えると動作する。Pr.150 出力電流検出レベル、Pr.151 出力電流検出信号遅延時間、Pr.166 出力電流検出信号保持時間、Pr.167 出力電流検出動作選択の設定値を確認。Pr.150、Pr.151、Pr.166、Pr.167の設定値を調整する。
E.IOH突入電流抑制回路異常突入電流抑制回路の抵抗が過熱すると動作する。突入電流抑制回路の故障。電源のON/OFFを繰り返していないか。頻繁にON/OFFを繰り返さない回路としてください。上記対策をしても改善されない場合は、お買上店または当社営業所までご連絡ください。
E.AIEアナログ入力異常Pr.267 端子4入力選択の設定と電圧/電流入力切換スイッチの設定が異なる状態で、端子4に電圧(電流)が入力された場合に表示する。Pr.267 端子4入力選択および電圧/電流入力切換スイッチの設定値を確認してください。電流入力により周波数指令を与えるか、Pr.267 および電圧/電流入力切換スイッチの設定を電圧入力に設定してください。
E.SAFセーフティ回路異常セーフティ回路異常時に表示する。S1-SC間、S2-SC間のいずれか一方が開放された場合表示する。セーフティストップ機能を使用しない場合、S1-SC間、S2-SC間の短絡用電線が外れていないか。セーフティストップ機能を使用時、安全リレーユニットおよび接続に問題はないか。セーフティストップ機能を使用しない場合、S1-SC間、S2-SC間を短絡用電線で短絡する。安全リレーユニットなどのS1、 S2、およびSCの配線が正しいことと、セーフティストップ信号入力元が正しく稼動していることを確認。

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