Googleでアラーム関係について検索していると、サーボアラーム”401 Vレディオフ”が発生して困っているという記事を発見しました。
過去に経験したことのあるアラームだったので、同じアラームで困っている人に向けて、当時の記憶を思い出しながら対処方法について説明していきます。
- 【原因1】非常停止信号*ESP(コネクタCX30)の入力がない
- 【原因2】MCON信号が出力されていない
- どちらでもなければ診断パラメータを確認してFANUCへ問い合わせる
サーボアラーム401 “Vレディオフ”とは
アラーム詳細
番号 | メッセージ | 内 容 |
---|---|---|
SV0401 | (n)Vレディオフ | 位置制御のレディ信号(PRDY)がオンであるのに、 速度制御のレディ信号(VRDY)がオフになりました |
※nは軸名称
原因
アラームの原因は主に下記の3つです。
- 非常停止信号(ESP)
サーボアンプに入力されている非常停止信号(コネクタ:CX30)が解除されていない。
または、正しく接続されていない。 - MCON信号
NCからサーボアンプへの準備指令信号MCONが、軸のデタッチ機能の設定により送出されていない - サーボアンプ基盤
サーボアンプ基盤の装着不良および故障。
対処方法
非常停止信号(ESP)
サーボアンプのESP信号コネクタ:CX30に接続される入力信号がオフの状態で、CNCにサーボオン指令を出力するとVレディオフアラームが発生します。
設備メーカーごとのサーボオン条件を確認し、アラーム対象軸のサーボアンプへの非常停止信号(*EPS)の入力を確認してください。
複数軸で1つのシステムを構成している場合は、先頭のサーボアンプ以外に非常停止信号(*EPS)の接続が省略されている場合があります。
その場合に、一部の軸でVレディオフアラームが発生していれば、非常停止信号(*ESP)が問題である可能性は低いです。
制御盤内の改造や清掃などを行ったあとにVレディオフアラームが発生したのであれば、非常停止信号(*ESP)が原因が濃厚です。
端子の緩みやコネクタの緩みが原因だったりと、原因がわかれば簡単ですが気付きにくいのが難点です。
MCON信号
制御軸取り外し(デタッチ)機能が有効になっている軸がある場合、デタッチ有効中の軸にVレディオフアラームが発生します。
パラメータNo.1005#7(RMBx)が”1″の状態で、アラーム発生軸のパラメータNo.0012#7(RMVx)が”1″になっていればデタッチ有効軸に設定されているため、RMVxを”0″に設定して電源を再投入しアラームが出ないか確認してください。
また、PMCによって制御軸取り外し信号DTCH1(G0124.0),DTCH2(G0124.1),…が”1″になっていないか同時に確認してください。
パラメータやPMCラダーを変更していない状態でVレディオフアラームが発生しているなら、MCON信号が原因である線は薄いです。
[入力区分]セッティング入力
[データ形式]ビット軸形
[機能]各軸の制御軸取り外し(デタッチ)の設定
0:制御軸を取り外さない
1:制御軸を取り外す
[入力区分]セッティング入力
[データ形式]ビット軸形
[機能]各軸の取り外し信号とセッティング入力RMVxを有効/無効を選択
0:無効
1:有効
[区分]入力信号
[機能]対応する軸を制御対象から除外する
[動作]]DTCHが”1″になると下記の動作となる
○位置制御は行わず、モータは励磁が切れた状態
○除外軸に関わるサーボアラームを無視
○除外軸の軸別インタロック信号は”0″とみなす
○除外軸に対して指令を行うとダンマリ停止となる
○軸表示はそのまま残る
サーボアンプ基盤
非常停止信号(*ESP)と制御軸取り外し機能に問題がなくアラームが発生している場合は、サーボアンプ基盤の故障が濃厚です。
FANUCのサポートセンターへ連絡し代替品への載せ替えを検討してください。
サポートセンターへ連絡する前に、CNCの診断ツールからVレディオフ情報を取得できるので一度内容を確認してみましょう。
Vレディオフ情報の取得
診断機能からVレディオフアラームの原因解析を行うことができます。
診断情報表示方法
診断情報画面を表示する
SYSTEM画面から診断を選択します
Vレディオフ診断パラメータを表示する
①数値キーにて”358″を入力します
②NO.サーチを選択します
Vレディオフ診断パラメータが表示されました
Vレディオフ診断パラメータの読み方
診断情報は10進数で表示されています。診断パラメータを解読するためには一度2進数に変換します。
今回の例だと
1141(10進数) = 0000 0101 1010 0001(2進数)
となります。
変換した2進数の5~14ビットがVレディオフ診断情報として対応するので、
この表のとおりに各ビットが対応します。
Vレディ処理は5~14ビットの下位ビットから順に処理が行われるため、今回は*ESPのビットが”0″になっていることがわかります。
このとき、意図的にサーボアンプのESP信号コネクタ:CX30を抜いています。よって、診断パラメータで表示された内容の通り、非常停止信号*ESPに問題があることがわかりました。
このように診断パラメータVレディ処理において必要な処理がどこで止まってしまっているか確認することができ、内容によっては自身で修理が可能です。
ご自身では問題解決ができない場合、診断情報をもとにFANUCに問い合わせてください。
あとがき
今回はVレディオフアラームについて解説しました。
アラームの原因は多岐にわたるため、すべてを網羅することができません。
それでも、この記事がアラームが発生して困っている人の役に立てば幸いです。
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