【FANUC】モニター上でPMCラダーを編集する方法【0i-Fシリーズ】

  • ラダー編集ソフト『FANUC LADDER-Ⅲ』を使ってパソコンから編集する
  • モニター内のラダー編集機能を使って直接編集する

大規模な回路変更をおこなう場合や、デバッグ作業の際はFANUC LADDER-Ⅲがあると便利です。

しかし導入コストが高いため、利用頻度が低い現場では宝の持ち腐れになりかねません。

もしちょっとした回路の変更程度で済むなら、モニター内のラダー編集機能を利用しましょう

使い勝手こそFANUC LADDER-Ⅲに劣るものの、もともと内蔵されている機能なので無料です。

ここではそんな便利機能であるラダー編集機能を使ってPMCラダーを編集する方法について説明します。

目次
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PMCラダー編集前の下準備

NCモニターからPMCラダーを編集するためには、いくつかの設定変更が必要です。

以下の手順に沿って設定を変更してください。

設定を適用しないと、編集画面が表示されなかったり編集後のデータが適用されないなどの問題が発生します。

STEP
[PMCCNF](PMC構成)画面へ移動する

[SYSTEM]キーを押したあと[▶]キーを数回押すと表示される[PMCCNF]を選択する。

STEP
一般機能用設定から指定した項目の値を変更する

一般機能用設定の項目を変更することで、PMCラダー編集が可能となります。

項目設定用途
編集許可はいプログラムの編集に関わる機能を有効にする。
編集後保存はいシーケンスプログラム編集後に、フラッシュROMへ自動書込みする。
メモリ書込み可はいメモリ書込みに関する機能を有効にする。
PMC停止許可はいPMCの起動停止に関わる機能を有効にする。
プログラマ機能有効はいスーパーバイザーモードとなり、すべての編集機能を有効にする。
編集許可有効で使用可能となる機能一覧
  • ラダー図編集画面
  • タイトル編集画面
  • シンボル&コメント編集画面
  • メッセージ編集画面
  • I/Oモジュール編集画面
  • メッセージ各国語機能の設定
  • システムパラメータ画面
  • キープリレーK900〜の設定画面
  • 構成パラメータ画面
  • シーケンスプログラムの入力
  • シーケンスプログラムのフラッシュROMへの保存
  • 各国語表示用メッセージデータの入力
  • 各国語表示用メッセージデータのフラッシュROMへの保存
メモリ書込み可有効で使用可能となる機能一覧
  • フォーシング機能
  • オーバライド機能
  • タイマ、カウンタ、キープリレー、データ画面でのデータ変更
  • PMC I/O画面において、PMCパラメータの入力
PMC停止許可有効で使用可能となる機能一覧
  • シンボル&コメント編集画面
  • メッセージ編集画面
  • ラダー起動停止
  • システムパラメータ画面
  • シーケンスプログラムの入力
  • 各国語表示用メッセージデータの入力
プログラマ機能有効で使用可能となる機能一覧
  • ラダー図編集画面
  • タイトル編集画面
  • シンボル&コメント編集画面
  • メッセージ編集画面
  • I/Oモジュール編集画面
  • ラダーの起動/停止
  • フォーシング機能
  • オーバライド機能
  • メッセージ各国語機能の設定
  • データ入出力画面
  • システムパラメータ画面
  • オンラインモニタ用パラメータ設定画面
  • I/Oリンク割り付けデータ選択機能設定画面
  • キープリレーK900〜の設定画面
  • 構成パラメータ画面
  • シーケンスプログラムの入出力
  • タイマ、カウンタ、キープリレー、データ画面でのデータ変更
  • PMCパラメータの入出力
  • 各国語表示用メッセージデータの入出力
  • シーケンスプログラムのフラッシュROMへの保存
  • 各国語表示用メッセージデータのフラッシュROMへの保存
  • I/O構成表示(I/O Link i 割付)画面
  • I/O構成編集(I/O Link i 割付)画面
  • 入出力画面でのI/O構成データの入出力
  • I/O構成データのフラッシュROMへの保存
  • I/O構成表示(I/O Link i 割付選択)画面
  • I/O機器接続診断画面のI/O機器構成の登録/削除

PMCラダー画面への移動方法

STEP
[PMCLAD](PMCラダー画面)を選択する

[SYSTEM]キーを押し、ソフトキー[▶]を数回押すと表示される[PMCLAD]を選択する。

STEP
PMCラダー画面内の全プログラムを選択する

PMCラダー画面へ移動したら、全プログラムにカーソルを合わせて[ズーム]を選択する。

STEP
全プログラム画面が表示されたら遷移完了

画面全体にPMCラダープログラムが表示されたら、PMCラダー画面への遷移は完了です。

PMCラダーをモニターしたい場合はこの画面で確認をおこないます。

STEP
[編集]を選択して編集モードへ移行する

ソフトキーから[編集]を選択します。

STEP
タイトルが「PMCラダー図編集」に変われば編集モードへ遷移完了
  • タイトル名が「PMCラダー図編集」に変わる
  • カーソルの選択箇所に青い帯が表示される

上記の変化が画面内に現れたら、編集画面への遷移は完了です。

PMCラダー図の追加挿入と上書き編集の選択方法

ラダー図の『行』追加挿入

ソフトキー[追加]を選択すると、カーソルで選択中の1行上に追加でラダー図を挿入します。

既存ラダー図の上書き編集

ソフトキー[ズーム]を選択すると、選択中の行に対して上書き編集画面が開きます。

PMCラダー図編集で使用できる各種シンボルの説明

PMCラダーネット編集で使用できるシンボル、機能は以下のとおりです。

シンボル一覧
  • a接点
  • b接点
  • コイル
  • 否定コイル
  • セットコイル
  • リセットコイル
  • 立ち上がりパルス接点
  • 立ち下がりパルス接点
  • 機能命令
回路編集機能一覧
  • 横接続線追加
  • 横接続線削除
  • 縦接続線追加
  • 縦接続線削除

a接点

カーソルの場所にa接点を挿入します。

b接点

カーソルの場所にb接点を挿入します。

コイル

カーソルのある場所と同じ行にコイルを挿入します。

コイル挿入時は自動的に右端へシンボルが設置されます。

否定コイル

カーソルのある場所と同じ行に否定コイルを挿入します。

否定コイル挿入時は自動的に右端へシンボルが設置されます。

ファンクション(機能命令)

タイマーや演算、プログラムジャンプなどの特殊命令を挿入します。

0i-Fシリーズで使用できる機能命令一覧

選択する機能命令によって、設定するパラメータが異なります。

セットコイル

オンするとリセットコイルに入力があるまで指定したアドレスのオン状態を維持します。

リセットコイルと合わせて使用してください。

リセットコイル

セットコイルでオン状態にしたアドレスをリセットし、オフ状態に変更します。

セットコイルと合わせて使用してください。

横接続線の追加

カーソル上に横接続線を追加します。

横罫線の削除

カーソル上の横接続線を削除します。

縦接続線の追加(カーソル左側)

カーソル左側に縦の接続線を追加します。

縦接続線の削除(カーソル左側)

カーソル左側の縦接続線を削除します。

縦接続線の追加(カーソル右側)

カーソル右側に縦接続線を追加します。

縦接続線の削除(カーソル右側)

カーソル右側の縦接続線を削除します。

立ち上がりパルス接点

指定したアドレスのコイルがオンしたタイミングで1スキャン分だけ接点をオンします。

立ち下がりパルス接点

指定したアドレスのコイルがオフしたタイミングで1スキャン分だけ接点をオンします。

行スペース挿入

前スペース挿入

後スペース挿入

アドレスの設定方法

回路図を設定したら、各シンボルにアドレスを設定しないといけません。

ここではコイルにアドレスを設定する手順について解説します。

接点へのアドレス設定も同様の手順で操作してください。

STEP
コイルにカーソルを合わせる

アドレスを設定したいコイルにカーソルを合わせます。

STEP
ハードキーからアドレスを入力する

ハードキーを使って[R]、[0]、[.]、[1]を入力する。

STEP
INPUTキーを押してアドレスを確定する

アドレスを入力した状態で[INPUT]キーを押すと、コイルにアドレスが設定されます。

編集後ラダーネットの保存

ここからは編集したラダーネットをメモリへ書込み適用させます。

STEP
PMCラダーネット編集画面を終了する

PMCラダーネット編集画面で[終了]を選択する。

STEP
PMCラダー図編集画面を終了する

PMCラダー図画面に戻ったら[終了]を選択する。

STEP
プログラムの更新をおこなう

プログラムを更新するかの問に[はい]を選択します。

STEP
プログラムをフラッシュROMに書き込む

[はい]を選択して、編集したプログラムをフラッシュROMへ書き込みます。

フラッシュROMへ書き込まない場合、電源を再投入すると編集前のプログラムへ戻ります

簡単なPMCラダーの編集ならモニター上で済ませよう

今回紹介した操作方法を覚えれば、簡単な編集程度なら誰でもできるようになるはずです。

とくに設備保全や生産技術の担当者なら、この手の操作方法を覚えておくとトラブル時に役立ちます。

わざわざ高価な専用ソフトがなくても、現場対応レベルならモニター上の編集で十分賄えるでしょう。

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