FANUCのNCプログラム上で使用できるGコードについて紹介します。
目次
準備機能(G機能)とは
概要
準備機能の命令はアドレスGに続く数値によって表現され、ブロックに含まれる命令の意味を規定します。
Gコードごとに設定された機能を呼び出して加工方法へ反映させることができます。
Gコードの種類
Gコードには次の2種類があります。
| 項目 | タイプ0、タイプ1 |
|---|---|
| ワンショット | 指令されたブロックにだけ有効な G コード |
| モーダル | 同一グループの他の G コードが指令されるまで有効な G コード |
モーダルなGコードの例
G01,G00 はモーダルなGコードです。
モーダルなGコードを使用したサンプルプログラムは次のとおりです。
G01 X100.00 ;
Z50.00 ;
X20.00;
G00 Z0;
X30.00 ;
G01 X _ ;
:
:
オレンジマーカー部・・・G01で実行される範囲
青色マーカー部 ・・・G00で実行される範囲
Gコード一覧
Gコード一覧表
スクロールできます
| コード | グループ | 意 味 |
|---|---|---|
| G00 | 01 | 位置決め(早送り) |
| G01 | 01 | 直線補間(切削送り) |
| G02 | 01 | 円弧補間/ヘリカル補間CW ※出力軸側から見て時計方向(正転) |
| G03 | 01 | 円弧補間/ヘリカル補間CCW ※出力軸側から見て反時計方向(逆転) |
| G04 | 00 | ドゥエル ※「G04 P_ ;」または「G04 X_ ;」で指定 |
| G04.1 | 00 | Gコードによるマスクバッファ |
| G05 | 00 | AI輪郭制御(高精度輪郭制御互換指令) |
| G05.1 | 00 | AI輪郭制御 |
| G05.4 | 00 | HRV3オン/オフ |
| G07.1 | 00 | 円筒補間 |
| G08 | 00 | AI輪郭制御(先行制御互換指令) |
| G09 | 00 | イグザクトストップ |
| G10 | 00 | プログラマブルデータ入力 |
| G10.6 | 00 | 工具退避&復帰 |
| G11 | 00 | プログラマブルデータ入力モードキャンセル |
| G13 | 38 | ギャップ制御モードON |
| G14 | 38 | ギャップ制御モードキャンセル |
| G13.2 | 42 | アプローチ中ビーム出力モードON |
| G14.2 | 42 | アプローチ中ビーム出力モードキャンセル |
| G15 | 17 | 極座標指令キャンセル |
| G16 | 17 | 極座標指令 |
| G17 | 02 | XpYp平面指定 |
| G18 | 02 | ZpXp平面指定 |
| G19 | 02 | YpZp平面指定 |
| G20(G70) | 06 | インチ入力 |
| G21(G71) | 06 | メトリック入力 |
| G22 | 04 | ストアードストロークチェック機能オン |
| G23 | 04 | ストアードストロークチェック機能オフ |
| G24 | 00 | ピアシング指令 |
| G27 | 00 | レファレンス点復帰チェック |
| G28 | 00 | レファレンス点への自動復帰 |
| G28.2 | 00 | インポジションチェック無効、レファレンス点復帰 |
| G29 | 00 | レファレンス点からの移動 |
| G30 | 00 | 第2,第3,第4レファレンス点復帰 |
| G30.2 | 00 | インポジションチェック無効、第2,第3,第4レファレンス点復帰 |
| G31 | 00 | スキップ機能 |
| G32 | 00 | アシストガス指令 |
| G39 | 00 | 工具径・刃先R補正コーナ円弧補間 |
| G40 | 07 | 工具径・刃先R補正キャンセル |
| G41 | 07 | 工具径・刃先R補正左 |
| G42 | 07 | 工具径・刃先R補正右 |
| G40.1 | 18 | 法線方向制御キャンセルモード |
| G41.1 | 18 | 法線方向制御左側オン |
| G42.1 | 18 | 法線方向制御右側オン |
| G50 | 11 | スケーリングキャンセル |
| G51 | 11 | スケーリング |
| G52 | 00 | ローカル座標系設定 |
| G53 | 00 | 機械座標系選択 |
| G53.2 | 00 | 送り速度指令による機械座標系選択 |
| G54(G54.1) | 14 | ワーク座標系1選択 |
| G55 | 14 | ワーク座標系2選択 |
| G56 | 14 | ワーク座標系3選択 |
| G57 | 14 | ワーク座標系4選択 |
| G58 | 14 | ワーク座標系5選択 |
| G59 | 14 | ワーク座標系6選択 |
| G60 | 00 | 一方向位置決め |
| G61 | 15 | イグザクトストップモード |
| G62 | 15 | 自動コーナオーバライド |
| G64 | 15 | 切削モード |
| G63 | 00 | レーザパワーコントロール |
| G65 | 00 | マクロ呼出し |
| G61 | 15 | イグザクトストップモード |
| G62 | 15 | 自動コーナオーバライド |
| G64 | 15 | 切削モード |
| G66 | 12 | マクロモーダル呼出しA |
| G66.1 | 12 | マクロモーダル呼出しB |
| G67 | 12 | マクロモーダル呼出しA/Bキャンセル |
| G68 | 16 | 座標回転モードオン |
| G69 | 16 | 座標回転モードキャンセル |
| G72.1 | 00 | 図形コピー(回転コピー) |
| G72.2 | 00 | 図形コピー(平行コピー) |
| G75 | 00 | 多数個製品取り指令X |
| G76 | 00 | 多数個製品取り指令Y |
| G77 | 00 | 多数個製品取りの基準点指令 |
| G84 | 16 | 座標回転 |
| G85 | 16 | 座標回転キャンセル |
| G90 | 03 | アブソリュート指令 |
| G91 | 03 | インクレメンタル指令 |
| G91.1 | 00 | 最大インクレメンタル指令量チェック |
| G92 | 00 | ワーク座標系の設定 |
| G92.1 | 00 | ワーク座標系プリセット |
| G107(G07.1) | 00 | 円筒補間 |
| G150(G40.1) | 18 | 法線方向制御キャンセルモード |
| G151(G41.1) | 18 | 法線方向制御左側オン |
| G152(G42.1) | 18 | 法線方向制御右側オン |
Gコードの注意点
電源投入時orリセットによりクリア状態になった時モーダルのGコードの状態
- Gコード一覧表の赤太字のGコードの状態となります。
- G20とG21は、電源投入またはリセットによるクリア状態で変化しません。
- G22とG23は、パラメータG23(No.3402#7)により電源投入時にどちらのGコードの状態にするかを設定できます。なお、リセットによるクリア状態では変化しません。
- G00とG01は、パラメータG01(No.3402#0)によりどちらのGコードの状態にするかを設定可能です。
- G90とG91は、パラメータG91(No.3402#3)によりどちらのGコードの状態にするかを設定可能です。
- G17,G18およびG19は、パラメータG18(No.3402#1)および、パラメータG19(No.3402#2)によりどの Gコードの状態にするかを設定可能です。
その他注意事項
- G10とG11を除く、00グループのGコードはワンショットのGコード。
- Gコード一覧表にない、または対応するオプションがない Gコードを指令した場合
- アラーム(PS0010)”使用できないGコードを指令しました”が表示されます。
- 異なるグループのGコードは、同一ブロックに複数個指令できます。
同じグループのGコードを同一ブロックに複数個指令すれば、最後に指令したGコードが有効です。 - 穴あけ用固定サイクル中に01グループのGコードを指令すると、穴あけ用固定サイクルはキャンセルされ、G80を指令したのと同じ状態になります。
なお、01グループのGコードは、穴あけ用固定サイクルの指令Gコードの影響を受けません。 - Gコードはグループ番号ごとに表示されます。
- G60のグループは、パラメータMDL(No.5431#0)によって切り換え可能。
(MDL=0:00グループ、MDL=1:01グループ)
Gコード関係のパラメータ
パラメータNo.3402#0 <G01>
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
電源投入時およびクリア状態時は
0:G00モード(位置決め)
1:G01モード(直線補間)
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
電源投入時およびクリア状態時は
0:G00モード(位置決め)
1:G01モード(直線補間)
パラメータNo.3402#1 <G18>
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
電源投入時およびクリア状態時は
0:G17モード(X-Y平面)
1:G18モード(Z-X平面)
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
電源投入時およびクリア状態時は
0:G17モード(X-Y平面)
1:G18モード(Z-X平面)
パラメータNo.3402#2 <G19>
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
電源投入時およびクリア状態時は
0:パラメータG18(No.3402#1)に従う
1:G19モード(Y-Z平面)
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
電源投入時およびクリア状態時は
0:パラメータG18(No.3402#1)に従う
1:G19モード(Y-Z平面)
パラメータNo.3402#3 <G91>
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
電源投入時およびクリア状態時は
0:G90モード(アブソリュート指令)
1:G91モード(インクレメンタル指令)
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
電源投入時およびクリア状態時は
0:G90モード(アブソリュート指令)
1:G91モード(インクレメンタル指令)
パラメータNo.3402#7 <G23>
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
電源投入時は
0:G22モード(ストアードストロークチェックオン)
1:G23モード(ストアードストロークチェックオフ)
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
電源投入時は
0:G22モード(ストアードストロークチェックオン)
1:G23モード(ストアードストロークチェックオフ)
パラメータNo.5431#0 <MDL>
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
G60モードにおいて、一旦停止点でインポジションチェックを
0:実行する(加減速の終了のみを待つ)
1:実行しない
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット系統形
[機能]
G60モードにおいて、一旦停止点でインポジションチェックを
0:実行する(加減速の終了のみを待つ)
1:実行しない
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