FANUCでは、NCプログラム番号O8000番台とO9000番台にはプロテクトをかけることができます。
プロテクト状態では、書込みはおろか表示すらされません。
どうしても、O8000~やO9000~でプログラムを作りたい場合は、
- O8000番台はパラメータNo.3202#0<NE8>を”0″に設定する
- O9000番台はパラメータNo.3202#4<NE9>を”0″に設定する
を設定しプロテクトを解除します。
パラメータの詳細や注意事項については、後述する内容をご覧ください。
目次
NCプログラム番号O8000番台やO9000番台を使用する方法
O8000番台はパラメータNo.3202#0<NE8>=”0″に設定する
パラメータNo.3202#0<NE8>は、O8000~O8999のプログラム編集の禁止を設定するパラメータです。
パラメータの値が”1″であれば表示・編集禁止。
値を”0″に変更することで、O8000~O8999のプログラム番号を表示・使用することが可能です。
O9000番台はパラメータNo.3202#4<NE9>=”0″に設定する
パラメータNo.3202#4<NE9>は、O9000~O9999のプログラム編集の禁止を設定するパラメータです。
パラメータの値が”1″であれば表示・編集禁止。
値を”0″に変更することで、O9000~O9999のプログラム番号を表示・使用することが可能です。
注意事項
プログラム編集が禁止の場合、プログラム番号に対する操作が制限される
制限される内容は次のとおりです。
- プログラムの削除(全プログラムの削除でも8000、9000番台は削除されない)
- プログラムの出力(全プログラムの出力でも8000、9000番台は出力されない)
- プログラムサーチ
- 登録されているプログラムの編集
- プログラムの登録
- プログラムの照合
- プログラムの表示
有効時に不可能となる編集操作
- プログラムの削除(全プログラムの削除でも8000、9000番台は削除されない)
- プログラムの出力(全プログラムの出力でも8000、9000番台は出力されない)
- プログラムサーチ
- 登録されているプログラムの編集
- プログラムの登録
- プログラムのコピー
- プログラムの移動
- GET/PUT/LIST-GET/LIST-PUT 操作によるパソコンとのファイル転送
- メモリカードのフォーマット
- パソコンからのFTP操作によるファイル入出力
- パソコンからのFTP操作によるファイル名変更
- パソコンからのFTP操作によるファイル削除
その他の注意事項
- パラメータNo.11375#0<DMP>が有効”1″な場合、データサーバ内のプログラムにも適用されますが、禁止される内容が異なります。詳細はパラメータNo.11375#0<DMP>を参照してください。
- メモリカード上のメモリカードプログラム運転編集プログラムは対象外です。
- 本パラメータは系統形パラメータです。プログラムを保護するためには全系統のパラメータを設定してください。
パラメータ
関連パラメータ一覧
パラメータNo.11375#0 <DMP>
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット形
[機能]
データサーバ上のプログラム保護機能は
0:無効とする。
1:有効とする。
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]ビット形
[機能]
データサーバ上のプログラム保護機能は
0:無効とする。
1:有効とする。
[temp id=2]
パラメータNo.3210 [プログラム保護(PSW)]
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]2ワード形
[データ範囲]0~99999999
[備考]
9000番台のプログラムを保護するためのパスワードを設定します。本パラメータに”0″以外の値が設定され、かつパラメータNo.3211のキーワードと異なる値が設定されると、9000番台のプログラムを保護するためのパラメータNo.3202#4<NE9>が自動的に”1″となり、9000番台のプログラムの編集が禁止されます。以降、パスワード(パラメータNo.3210<PSW>)と同じ値をキーワード(パラメータNo.3211<KEY>)に設定しないと、NE9を”0″に設定することができません。
また、パスワードの値も変更できません。
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]2ワード形
[データ範囲]0~99999999
[備考]
9000番台のプログラムを保護するためのパスワードを設定します。本パラメータに”0″以外の値が設定され、かつパラメータNo.3211のキーワードと異なる値が設定されると、9000番台のプログラムを保護するためのパラメータNo.3202#4<NE9>が自動的に”1″となり、9000番台のプログラムの編集が禁止されます。以降、パスワード(パラメータNo.3210<PSW>)と同じ値をキーワード(パラメータNo.3211<KEY>)に設定しないと、NE9を”0″に設定することができません。
また、パスワードの値も変更できません。
パラメータNo.3211 [プログラム保護鍵(KEY)]
No.3211 プログラム保護鍵(KEY)
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]2ワード形
[データ範囲]0~99999999
[備考]
パスワード(パラメータNo.3210<PSW>)と同じ値を入力すると鍵(キーワード)が解除され、パスワードおよびパラメータNo.3202#4<NE9>の値を変更することが可能となります。
No.3211 プログラム保護鍵(KEY)
[入力区分]パラメータ入力
[データ形式]2ワード形
[データ範囲]0~99999999
[備考]
パスワード(パラメータNo.3210<PSW>)と同じ値を入力すると鍵(キーワード)が解除され、パスワードおよびパラメータNo.3202#4<NE9>の値を変更することが可能となります。
注意:このパラメータの設定値は表示されません。電源を切断するとこのパラメータの値は”0″となります。
あとがき
諸事情でO8000~O9999を使いたいことがあったので、忘備録として解説記事を作成しました。
同様の内容で困っていた方の一助となれば幸いです。
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