CNCとPMCはFANUCを扱う中でよく聞きますよね?
- CNCの役割は?
- PMCの役割は?
- 両者の違いは?
あなたは説明できますか?
経験者でも答えられるのは10人中1~2人くらいじゃないでしょうか。
私もFANUCを使い始めた頃は違いを理解していなかったので、説明もできないし聞いても理解できないレベルでした。
ですが、10年NCプログラムやPMCラダーを組み続けた結果、今ではどちらも理解したうえで使いこなしています。
この経験をもとに、FANUCを使い始めて間もない人に向けてCNCとPMCの違いを解説します。
CNC
概要
CNCはComputer Numerical Controlの略称です。
日本語では「コンピュータ数値制御」と言います。
サーボモータをNCプログラム(プログラム化された数値指令データ)に従って、制御を行う方式です。
役割
NC(数値制御)プログラムに従って、サーボモータを運転します。
一般的なCNC装置では、同時に5台のサーボモータを運転(同軸制御)することができます。
このモータを様々な方向へ移動できるように組み合わせることで、3次元の動きを実現しているんですね。
PMC
概要
PMC(Programmable Machine Contorler)とは、CNCに内蔵されたPC(Programmable Contoroller)で、工作機械のシーケンス制御を実行するために存在します。
役割
ラダー言語によって作成されたシーケンスプログラムによって、CNC以外の外部機器とのやり取りを実現します。
また、内部I/Oを用いて、CNCとあらかじめ決められた内容の信号を受け渡します。
CNCとPMCの関係と違い
PMCはCNCの内部機能
PMCはCNCの内部機能です。
CNC装置は外部機器と直接やり取りができません。そのため、PMCが中継役として活躍します。
- 【CNC】・・・サーボアンプへサーボモータの移動量・速度を命令する司令塔
- 【PMC】・・・CNCとセンサーやモーターなど外部機器とやり取りする中継役
CNCと外部機器をやり取りしなくても、CNCは動かすことができます。
では、なぜPMCが必要なのでしょうか?
PMCが必要な理由
PMCが存在することで、CNCの機能をフルに活かすことができるからです。
PMCを設定しない機械は、次のようなデメリットが発生します。
- プログラム運転以外すべて手動
- 命に関わる安全装置なし
- 操作を間違えると機械・人に被害大
こんな機械を私は使いたいと思いません。怖すぎます。
CNCと外部機器を連携させ、機械に求められる安全や利便性を満たす必要があるんですね。
PMCを正しく設定してあげると、
- スイッチひとつで自動で動く
- 危険な状態では動かない
- 操作をまちがえたら停止する
こんなあたりまえのことですが、PMCがその役割をになうことを考えると、重要性が理解できたでしょうか?
簡単な例ですが、PMCが外部機器(起動ボタン)とCNCを仲介する図をのせておきます。
おまけ:PMCアドレス一覧
※赤字の記号はラダー上での使用頻度が高い
あとがき
今回はCNCとPMCの違いについて簡潔に説明してみました。
今後FANUCのCNCに関わるのであれば、NCプログラムとPMCラダーの習得は必須です。
- NCプログラムは資料が豊富なので基礎レベルまではかんたん。
- PMCラダーは、シーケンス言語&CNCー内部I/O間の処理を理解する必要があるためむずかしい。
PMCラダーの習得はむずかしいですが、需要が多いのに人手不足です。
いまから学習しても十分にもとが取れるスキルだと考えています。
この記事をみて少しでもCNCやPMCに興味を持っていただけたら幸いです。
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