NC装置のプログラムやパラメータは、NC装置本体の裏面にある専用バッテリーで保持されています。
電源を切る時間が長いほどバッテリーの消耗が激しく、連休後などは特にデータが消える危険が高いです。
一度データが消えてしまうと、バックアップデータなしには復旧できません。
仮にデータがあったとしても、データの入れ込みから立ち上げまで、ご自身でおこなわないといけません。
メーカーのお世話にならないためにも、重要なNC装置バッテリーの交換方法について解説します。
NCバッテリーアラーム
この異常が発生したら直ちにバッテリーを交換してください
![ncバッテリ電圧低下アラーム](https://taroimo-lifestyle.com/wp-content/uploads/2021/03/082445a877b95c9c2d9304e0f0149a86.jpg)
NCバッテリーが弱ってくると、メッセージに“NCバッテリ電圧低下”と表示されます。
このメッセージが表示されている状態でNC装置の電源を切ると、全データが消えることがあります。
バッテリーを交換するまで、NC装置の電源を切らないようにしてください。
用意するもの
交換用NCバッテリー:A98L-0031-0028
![NCバッテリ本体](https://taroimo-lifestyle.com/wp-content/uploads/2021/03/IMG_62911-1.jpg)
交換用のバッテリ型式は「A98L-0031-0028」です。
FANUCの会員サイトから購入可能ですが、会員登録が必要なので手間がかかります。
Amazonや楽天市場に純正品番と同じバッテリーが販売されていますが、中国製の偽物です。
偽物のバッテリーには異常時の保護機能がなく、NC装置が危険モードで故障する懸念があるとしています。
FANUCはバッテリーを市販していないため、正規ルートでの購入品以外は偽物だと考えるのが無難です。
偽物を使って設備が故障した際、保証の対象外になります。
交換手順
NC電源を投入する
装置のメインブレーカや操作電源をオンにして、CNC装置に電源が入っている状態にしてください。
バッテリーにアクセスする(電源は入れたまま!)
![fanuc-0i-mf正面](https://taroimo-lifestyle.com/wp-content/uploads/2021/03/IMG_621941-1.jpg)
NC装置本体を正面から見て左上の裏側あたりにバッテリーが取り付けられています。
![FANUC0i裏側](https://taroimo-lifestyle.com/wp-content/uploads/2021/03/IMG_62861-1.jpg)
操作盤や制御盤を開いて裏側にアクセスできるようにしてください。
バッテリーを取り外す(電源は入れたまま!)
![バッテリ抜き](https://taroimo-lifestyle.com/wp-content/uploads/2021/03/056511d79e43a326931c9825b9624bac.jpg)
指でストッパつまみを押しながら手前に引き抜いてください。
新しいバッテリーを取り付ける(電源は入れたまま!)
![バッテリ取り付け](https://taroimo-lifestyle.com/wp-content/uploads/2021/03/IMG_62913.gif)
新しいバッテリーを写真の向きにカチッと音が鳴るまで押し込んでください。
NC装置を再起動する
設備のメインブレーカもしくは操作電源をオフにして、NC装置の電源を切ります。
電源を切ってから10秒後に、再度NC装置に電源を投入します。
メッセージ画面を確認する
![メッセージなし](https://taroimo-lifestyle.com/wp-content/uploads/2021/03/b3c5b1ea000305d28b85ee73c8144605.jpg)
NC装置が立ち上がったら、メッセージ画面を確認します。
メッセージ“NCバッテリ電圧低下”の表示が消えていれば無事に交換完了です。
おつかれさまでした!
簡単な作業だが、感電に注意!
NCバッテリーの交換作業はいかがだったでしょうか。
電源を投入したままなので、露出した活線に触れて感電するかもしれない作業です。
電気の知識がある人が、十分に注意を払ったうえで作業してください。
コメント