制御設計スキルを持つ人材が引っ張りだこの今、雇われのサラリーマンを辞めて独立・起業に踏み切り、収入アップを狙うPLCエンジニアが増えています。
- 制御エンジニアが慢性的に不足しており外注ニーズが高まっている
- 設備需要は右肩上がりで仕事が絶えない
- 知識を売るビジネスなので利益率が高く稼ぎやすい
こうした背景から、「数年間会社員としてスキルを磨いてから独立する」というキャリア戦略を取る人が増加中です。
たしかに、独立すればサラリーマン時代よりも大幅な収入アップが見込めます。しかしながら全員が成功できるわけではありません。特に営業力の欠如は独立で失敗する人の共通点です。
フリーランスにとって重要な能力は営業力です。いくら高いプログラミングスキルや広い知識を持っていても、仕事がなければ意味はありません。顧客を囲い込む仕組み作りができなければ独立は失敗します。
独立を検討しているあなたは、おそらく社内でも実力を認められている存在でしょう。周囲から「独立したらもっと稼げそうだよね」と言われた経験もあるはずです。
しかし、会社員として仕事ができる人がフリーで食べていけるとは限りません。あなたが会社で今の仕事をうまく回せているのは、会社が持つ資金や人脈などの土台の上に成り立っているからです。独立してしまえば無名の個人になります。今まで営業をやったことがなく実績もない人が、簡単に仕事を取れるほどビジネスの世界は甘くありません。
だからこそ営業力が最も重要なスキルであり、顧客を囲い込む仕組みを作れるかが成功の可否を分けます。
何があってもやり切る覚悟があるなら独立もありです。ですが安易な独立は自身の首を絞めるだけ。もしあなたの独立理由が「収入アップ」なら、転職を強くおすすめします。中途採用でもPLCエンジニアの求人年収は上昇傾向にあるからです。
私も転職がキッカケで年収アップに成功しました。当時利用したのはメイテックネクスト という製造系エンジニア専門の転職エージェント。現在の求人数は1,000件以上、求人平均年収も620万円を超えており高い水準なので、当時よりも高い年収を狙えます。掲載中の一部求人が見られるので、気になる方はアクセスしてチェックしてみてください。
より高収入を狙うならタイズもいいですね。メイテックネクスト で500〜600万円がレンジ。対してタイズは600〜700万円まで上がります。求人数は少ないですが、より高年収を狙いたいならおすすめです。
- 年収1,000万円以上を狙えるが相応の準備と覚悟が必要な独立
- 600万円台~700万円程度でもリスクを抑え安定したリターンを得られる転職
どちらを選ぶかは、あなたが置かれている状況次第。独立や転職どちらも間違いではありません。いずれにせよ失敗だけはしないよう、このページを通じて情報を提供していきます。

フリーランスとして独立したら営業活動が一番大事だと気づきます。いくら需要があったとしても、待っているだけで仕事がもらえるほど甘くはありません。
独立によるリスクを減らすなら副業として取り組んでみよう
サラリーマンを辞めて独立したものの、事業がうまくいかず後悔したということはよくあります。いきなりサラリーマンからフリーランスに転身するのは、失敗する人の典型例です。
そこで独立前の試金石として、副業に取り組んでみましょう。副業で小さく始めて見込み客を作り、ある程度稼げる見込みが立ってから独立すると失敗のリスクを大きく下げられるからです。



失敗したくないなら小さく始めることが定石です。失敗しても初期投資資金と時間を失うだけ。本業があるからこそ、臆することなくチャレンジできる点もメリット。
どうやって副業を始めればよいのか
スキルシェアやスキルマーケットを介して、個人で案件を受けてみましょう。ココナラやランサーズ、クラウドワークスなどが定番ですね。まずはアクセスしてみてどんな案件があるかをチェックしてみてください。
副業とはいえ、やることは独立後の業務と全く変わりません。営業から受注、納品まで全部ひとりで取り組みます。まずは利益は度外視で案件を受けてみて、どのような流れで受注から納品まで至るのか経験しておくだけでも大きな進歩です。
うまくいけば副業だけでも月10万円前後は稼げます。これが20万円、30万円と大きくなっていくのに合わせて独立のタイミングを計りましょう。副業なので失敗しても大したダメージはありません。まずは手をつけてみることが大切です。



最初の頃は利益度外視で仕事を受けて、経験と実績を積みましょう。そのうち利益もついてきます。
会社が副業禁止だとしてもバレないからとにかくやろう
副業について回る問題のひとつとして、会社の就業規則で副業が禁止されているという件があります。副業の内容によっては懲戒処分もありえますが、だから副業はできないというのは早計です。
少なくとも普通にしていれば副業がバレることはありません。副業がバレるのはだいたい以下のパターンです。
- 仲の良い同僚に副業を話してチクられバレる
- 就業中に副業に関する作業をおこないバレる
- 住民税を特別徴収にしてしまい事務方からバレる
よくあるパターンを3つ挙げましたが、副業していることを口外するが90%といっても過言ではありません。黙って黙々とやっていればよほどバレることはないのです。
「口を滑らせない」「本業中にやらない」この2つを徹底するだけで対策できます。税金などの経理については、稼げたあとに学び始めても十分です。



稼げるようになってくると必ず自慢したくなる時期が訪れます。ここで我慢できずに言いふらすと、確実にバレますよ。
なぜ独立よりも転職を推奨するのか
独立はうまくいけばサラリーマン時代よりも稼げるかもしれません。ですがフリーランスである以上デメリットはあります。
対象の業種が製造業であるため、売上は景気に左右されること。サラリーマンの場合、仕事がなくても必ず給料が支払われます。一方フリーランスだと仕事がなければ売上もゼロ。収入はなくなります。
独立を考える人が増えるタイミングは、好景気中がほとんど。好景気の仕事量をアテに独立したら、不景気になれば立ち行かなくなります。リーマンショックで多くの個人事業主が廃業したことを忘れてはいけません。企業も採用を絞っているので会社員へ戻るのも難しい状況でした。
こういった不安定な生活を許容できないなら、やはりサラリーマン一択です。安定も取りつつ収入を上げるなら転職しかありません。冒頭でも述べたようにメイテックネクスト やタイズなら、年収600〜700万円のPLCプログラマー向け求人が多数公開されています。
今は中途採用においても、人材不足ゆえ採用活動は活発で待遇も良くなってきています。転職でもそこそこ裕福な生活を遅れるくらいの年収に到達可能な時代です。これらの状況を踏まえたうえで、独立か転職かを熟考してください。



地獄に飛び込む覚悟がなければ独立はおすすめしません。それよりも転職で収入アップを狙うほうが無用な失敗を避けられます。
PLCエンジニア独立に関する参考情報
数は少ないですが、PLCエンジニアの独立について触れている参考情報を集めました。実際に独立した方の生々しい経験に触れられる良い機会です。
にわかFA電気屋@産業機械装置屋
にわかFA電気屋@産業機械装置屋さんは、サラリーマンから独立し法人2年目を迎えた制御設計エンジニアです。ブログFA電気設計屋の技術倉庫を運営されています。
有料記事ですが、PLCエンジニア独立の判断基準について書かれています。
たけ@電気制御
たけ@電気制御さんは制御盤屋から独立し、その過程をXにて発信されています。独立して間もないため、よりリアルな脱サラ過程を感じられます。
ドラフター|東大阪機械制御
ドラフター|東大阪機械制御さんは機械設計から制御設計へ転向し独立した経歴の持ち主です。独立して約1年ほど。独立から現在まで定期的に発信されています。
独立、サラリーマンともにメリット・デメリットを理解したうえで選択するべき
独立の良い面ばかりしか見ずに行動に移せば必ず失敗します。最低でもデメリットについて理解しするべきです。
あと忘れがちなサラリーマンであることのメリットについても再認識しておきましょう。そのうえで独立で得られるリターンと安定を天秤にかけて、進路を決めても遅くはありません。
よくあるリスクヘッジとして「独立して失敗したら会社員へ戻る」という考え方。これにも落とし穴があります。個人事業を廃業するタイミングのほとんどは不景気中におき、企業も中途採用を絞っているため職探しは難航するからです。
さらに会社員としてのブランク期間は、厚生年金や退職金の積み上げがありません。独立に失敗して稼げなかったにもかかわらず、老後の保証すら手薄になるという問題がある点にも留意してください。
独立はうまくいけば今以上の収入を得られる天国ですが、必ず苦労するタイミングが訪れます。ここで必要なのが営業力であり、苦しい状況の乗り切った人はすべからく営業スキルを磨いていました。
独立して自身の実力を試すのも素晴らしいことだと思いますが、その後の苦労や試練に耐えられるか熟考してから決断してみてもよいのではないでしょうか。