転職活動を始めるにあたって、仕事をしながら活動するか退職してから活動かを選ばないといけません。
どちらにも一長一短はありますが、私は仕事をしながら転職活動することを推奨します。
退職してから活動する場合、リスクが大きいからです。
この記事では「退職してから転職活動をする問題点」から「仕事をしながらの転職活動を推奨する理由」を解説します。
時間を十分に確保できても、転職を成功させられるとは限りません。
転職先を決めずに自己都合退職する問題点
一般的に言われている、自己都合退職のデメリットは次の通りです。
- 失業手当を即時もらえない
- 失業手当をもらえる期間が短くなる
- 特例一時金の支給に時間がかかる
失業手当や特例一時金といった、デメリットは金銭面がほとんど。
心理的な面でいうと、焦って仕事が決まりにくいというデメリットも存在します。
条件を妥協できず転職先が見つからない
自己都合退職の場合、次の仕事に求める条件のハードルが高くなりがちです。
転職活動初期なら希望を高く持っても良いですが、長引いた場合に条件を妥協しないといけません。
やりたい仕事、給与、勤務先、福利厚生などをこだわりたい気持ちはわかります。
しかし、なぜ転職活動が長引いているのか、根本的な理由を考え直すべきです。
条件を妥協できない理由は埋没費用効果のせい
条件を妥協できない理由の多くは、かけた時間が惜しいためです。
これは埋没費用効果という心理バイアスにハマっている状態であり、うまくいくはずもありません。
転職活動においても、うまくいかないと思ったら過去を忘れて損切りする勇気が必要です。
損切りするべきか迷っている場合は、転職エージェント等の第三者からアドバイスを貰うことで解決できます。
働きながら転職活動をするメリット・デメリット
働きながら転職活動をすることで、転職先を決めない退職のデメリットをすべて解決できます。
転職活動に時間をかけられなくなる点がデメリットとして挙げられますが、行動心理の面からみると逆にメリットです。
メリットは転職に失敗するリスクを減らせる点
時間がたっぷりある人よりも、時間に余裕がない人のほうが転職に失敗する確率が低くなります。
「時間のあるほうがじっくりと考えられる分、失敗しにくいのでは?」と思うかもしれません。
人は強い時間圧力を受けると、慎重に物事を進める習性があるからです。
具体的な事例は次の通りです。
1980年代の実験に期待値は同じで、ギャンブル性の高いものから低いものまでいくつか賭け事を用意して、時間圧力を高、中、低、3段階で与えて、選ぶ賭け事に違いがあるか比較したものがあります。そうすると、時間圧力が中、低のグループは選ぶ賭け事に差がなかったのに、時間圧力が高のグループは、ギャンブル性の低い賭け事を選ぶという結果が出たのです。時間圧力がある時は、人はリスクを回避するということです。
引用元:時間圧力で変わる購買の意思決定|千葉商科大学 サービス創造学部 准教授 安藤 和代 氏
転職活動に置き換えた場合、時間圧力が強い人ほど次の手段を取りやすくなります。
- 検討すべき応募先を減らす(選択と集中)
- 文字情報より数字情報を重視する(具体的な根拠を重視)
- 無名より有名企業を選ぶ(不安定より安定)
- ネガティブな情報を重視する(リスクの認知)
自然とリスクを避ける選択を取るようになり、転職に失敗するリスクを低減できるのです。
退職手続きが進まず、転職先に迷惑をかける可能性がある
転職先が決まったら、いつから新しい会社で働き始めるのかを決めないといけません。
そのためには、現職の会社をいつ退職するのか合意を取る必要があります。
このとき、
- 退職願を受け取ってもらえない
- 希望の日程で退職を受理してもらえない
といった現職の会社を退職させてもらえないトラブルもあるようです。
自分では解決できないトラブルが発生した際は、退職代行を利用すると良いでしょう。
とにかく会社を辞めたい人は、退職代行EXITを検討してみてください。
弁護士監修の退職代行で、実績も多く、トラブルなく円滑に希望条件で退職を勧めてくれます。
もしお金が絡むトラブルを抱えている場合、弁護士系の退職代行ガイア法律事務所を使えば、
- 過去に遡ってのサビ残代請求
- 法律に則って退職金を請求できる
- パワハラに対して慰謝料を請求できる
など、数多くのメリットを受けられます。
ただし利用料金が5万円前後と高額になりがちなので、会社と大きな確執がある場合のみ利用すると良いでしょう。
なんにせよ、トラブルなく退職できるのが一番です。退職代行は奥の手としてとっておきましょう。
【例外】転職先を決めずに退職してもいいパターン
例外として、転職先が決まっていない退職を止めないパターンもあります。
会社都合で退職する場合
会社都合退職となる場合は、転職先の有無よりも退職を優先します。
自己都合退職と違い、次のメリットがあるためです。
- 失業手当をすぐに受け取れる
- 特例一時金をすぐに受け取れ、増額もされる
- 退職理由が転職で不利になりにくい(懲戒など本人事由を除く)
失業手当や特例一時金がすぐに支給されるため、当面は生活の面で困ることはありません。
転職活動でよく聞かれる退職理由についても、懲戒解雇や能力不足による解雇が原因でなければ不利にはならないでしょう。
ただし、早々に転職先を見つけるべきなのは自己都合退職と変わりありません。
退職後に公共職業訓練を利用する場合
退職後に公共職業訓練を利用する場合は、自己都合退職であっても失業手当の受給条件が緩くなります。
- 失業手当の待期期間が免除される
- 失業手当の受給期間が延長される
転職に有利なスキルを学びながら手当を貰えるため、未経験から電気制御にチャレンジしたい人には悪くない手段です。
ただし、特例一時金の待期期間が免除されない点と、卒業まで訓練を受けないと手当が打ち切られる点に注意してください。
転職先を決めない退職はリスク大きいため避けるべき
転職先を決めない退職で一番問題となるのは、仕事が決まらない不安がつきまとう点です。
不安は焦りを生みますし、焦りが転職成功を遠ざけてしまいます。
転職活動が長引き、失業手当の支給が終わって無収入になると最悪です。
転職先が見つからず、貯金だけが減っていく毎日。
この状況で安心して転職活動ができると思いますか?
とくに30代以降の転職において、すぐに仕事が決まることはまれです。
年齢を重ねるごとにリスクのほうが大きくなります。
転職先を決めない退職を否定するのは、多くの人にとってリスクのほうが大きいと考えているからです。
無収入になるかもしれないリスクを取ってでも、今退職するメリットがあるのか考えてみてください。