ラダー言語は特殊なプログラミング言語です。他業界へ転用しづらい点から「汎用性が低い」「つぶしが効かない」といったイメージを持たれています。
もともとラダー言語は、リレーシーケンスを視覚的に表現するために生まれた言語です。高級言語のような高度な計算処理は苦手ですが、直感的で視認性が高く、制御では圧倒的な使いやすさを誇ります。
そんなラダー言語は、日本国内でしか主に利用されていない点がネック。海外では、構造化テキスト(ST)やファンクションブロック(FBD)が主流なので、「ラダー言語はガラパゴス」とも言われています。
そんなガラパゴスなラダー言語は、将来的に使われなくなるのでしょうか?
結論から言えば、ラダー言語はまだまだ使われ続けます。その理由は、日系メーカーは保全を理由にラダー言語の使用を指定しているからです。
なぜそう言えるかは、メイテックネクスト やタイズの求人が答えです。
制御設計エンジニア求人の大半が「ラダー言語経験者」を条件に掲げていますよね。日系企業では2025年もラダー言語がメイン。ラダー言語がなくなる未来を想像するのは難しいでしょう。
転職市場においても、人手不足により制御設計エンジニアの需要は高止まりしています。提示年収も上がってきていて、年収600万円以上の求人も珍しくなくなってきました。
ラダー言語を扱える人材は、2025年現在では希少な存在です。転職先に困ることはなく、経験次第では現職よりも年収を上げることも難しくはありません。
ラダー言語の将来性に不安をもつ必要はありません。自分のスキルを信じて、歩みを止めず学び続ければ必ず報われる日が訪れますよ。

ラダー言語しかできないのは弱みではなく強みです。実際に転職活動をしてみたら引く手あまただと実感できますよ。
ラダー言語が日本国内で廃れない理由
ラダー言語は、登場して約50年経った今でもまだまだ現役で使用されています。昨今では「将来性がない」、「ガラパゴス化している」といわれていますが、次の理由から廃れることはありません。
学習、保守コストが低いから使われ続ける
ラダー言語はその登場以来、日本国内の製造設備における制御システムを支えてきました。長い歴史の中でノウハウが広く蓄積され、今では「学びやすく、保守しやすい」理想的な言語としての地位を確立しています。
ラダー言語はもともと、リレーシーケンスをプログラム化したものです。したがって、リレーシーケンスを理解していれば、ラダー回路も直感的に読み解けます。
これこそがラダー言語の強みであり学習コストが低いとされる理由です。教えるべき知識が比較的シンプルであるため、現場では即戦力となる人材を育てやすく、保守運用にかかる人的コストも抑えられます。
その結果、企業にとっても非常に合理的な選択肢といえるのです。このような背景から、国内では新旧を問わず多くの設備でラダー言語が使われ続けています。
他言語へ乗り換える明確なメリットがない以上、今後も日本の製造業ではラダー言語が主流であり続けることでしょう。



もしラダー言語を凌駕する新言語が登場したとしても、
30〜40年の間にラダー言語で設計された機械の面倒は
誰かが見ないといけません。
ここまで根付いた文化はそうそう消えることはないのです。
ラダー言語に加えて習得しておくならST言語がおすすめ
ラダー言語のスキルだけでも、日本企業で働くなら十分すぎるほどです。もし自身のスキルを高めておきたいなら、ラダー言語だけでなくST言語を習得しておくと転職で有利に働きます。
ラダー言語は演算処理が苦手
ラダー言語はリレーシーケンスをプログラムに置き換えたもの。そもそもリレーシーケンスは状態遷移処理が得意で、数値を扱うような演算は苦手です。
しかし昨今のPLCは進歩を続けており、制御の複雑化も相まって演算制御も担うようになってきました。
- アナログ制御
- 数値演算
これらの処理をラダー言語で記述すると、複雑な処理ほど多くのステップ数を要し、内容もわかりにくくなります。ST言語であればC言語やPascalのように、テキストベースで記述でき、複雑な演算処理も簡素な記述で構成可能です。
たとえば転職した先の設備では演算処理を頻繁におこなう設備を設計しているなら、ラダー言語だけで対処するのは筋はよくありません。その点、ST言語を活用して処理を記述できれば、時間も労力も削減できます。
ST言語とは?初めての人は概要だけでも理解しておこう
複雑な制御が求められる現代の制御設計でラダー言語の弱点を補うのがST言語です。ここではST言語について初めて触れる人向けに、簡単な解説をおこないます。
ST言語とは?
正式な名称は『ストラクチャードテキスト言語』で、『構造化テキスト』とも呼ばれています。人間が理解しやすい構文で構成されるプログラミング言語のひとつです。
ST言語はC言語やPascalのようなWindowsプログラミング文法に近い形で記述するため、プログラミングの経験がある人はすんなり理解できるはずです。
ラダー言語プログラム




ST言語プログラム
IF Signal THEN Result := Int1 + Int2; (* 加算 *) ELSE; Result := Int1 - Int2; (* 減算 *) END_IF;
ST言語の強みは演算処理
先程紹介した一例では、処理が単純なので双方とも煩雑さの違いはあまりありません。しかし、次のように処理が複雑になってくると話は変わります。
例:直径10cmの円の面積を求めるプログラム
直径10cmの円の面積を求めるプログラムを、ラダー言語とST言語で記述した例を紹介します。


円の面積を計算するだけで、5行ものプログラムを記述しないといけません。パッと見の分かりにくさもあります。
では同じプログラムをST言語で記述した場合、どうなるでしょうか?
Diameter := 10.0; (* 円の直径 *) pai := 3.14; (* 円周率 *) Result := ((Diameter / 2.0) ** 2) * pai; (* 円の面積 *)
ラダー言語と比べて、処理の流れがシンプルでわかりやすいですよね。
数値演算においてはST言語がラダー言語を圧倒しています。アナログ信号の処理も、入力値をデジタル化する際に複雑な演算処理が必要なのでST言語を扱えると便利です。
ST言語を理解していれば、わかりやすいプログラムが書けますね。
扱える言語の数よりラダー言語で何をやってきたかが重要
扱える言語の数が多ければ優秀とは限りません。こと制御設計の世界で重宝される人材は、ラダー言語を使って経験をたくさん積んだ人です。
- どんな装置の設計を過去に経験したか
- その過程でどういったノウハウを積んだのか
- アルゴリズムの引き出しの多さ
こういった内容を自信をもって語れる人が、日系企業の中途採用で求められています。
だからこそ使ったことのある機器の数を自分のスキルと勘違いしている人は危険。本質から外れているため、アピールの手段としては不適切です。
転職がうまくいかない人は、もっとラダー言語でやってきたことを深堀りしてください。私達のようなエンジニア職は、広く浅くではなく深く狭い知識をもつ人材が重宝されるからです。
転職において経験値こそが最大の武器だが伝える能力もセットで必要
残念ながら、どんなに素晴らしい経歴や経験を持っていても伝える能力がなければ転職はうまくいきません。
転職活動とは、例えるなら自分を売り込むプレゼン大会。プレゼンが下手だと、どんな経歴を持ってしても相手の心を射つことは不可能です。逆を言えば、プレゼンがうまいと転職活動もうまくいきます。
しかし、日本人の多くが自己表現を苦手で、面接の場でも自分をアピールするのが下手です。特に転職が初めての人だと、面接でうまくいかず悔しい思いをすることも少なくありません。
そういった人こそメイテックネクスト やタイズといった、アドバイザーがサポートしてくれる転職エージェントを利用してください。エンジニア転職を専門としているので、技術者向けの自己アピール方法について多くのノウハウを持っています。
私個人のおすすめはメイテックネクスト 。
過去に利用して転職し、年収400万円台から530万円にジャンプアップできました。このとき履歴書や職務経歴書の書き方から面接対策まで幅広くお世話になっています。
面接向けのプレゼン能力は練習しないと身につきません。
ぶっつけ本番で数をこなすのは非効率なので、練習できてフィードバックをもらえる転職エージェントを利用して転職活動を進めると無駄な苦労を省けますよ。



自己アピールはエンジニアが苦手とするところ。
自信がなければ素直に転職エージェントに頼る考え方も大切です。
ラダー言語を極めていくことが自分の価値を高められる
ラダー言語はこれからも日系企業において利用され続けます。なので、将来性を不安視する必要はありません。
だからこそ、ラダー言語はやりきったと思えるところまで頑張ってみてください。そこまで到達してから他の言語の習得を検討しましょう。
ラダー言語しかできなくても、あなたを受け入れてくれる企業はたくさんあります。年収を上げることだって可能です。
実際に管理人の山本はラダー言語しか業務で扱っていませんが、年収は800万円を超えました。
制御設計で稼げるようになりたいなら、「狭く浅く」で一点突破するプロフェッショナルを目指してください。日系企業ならラダー言語はまだまだ現役なので、転職先は豊富にあります。
ラダー言語を極めて、自身の市場価値を上げれば自然とお金もついてきます。今の自分の実力が社外でどのように評価されるか知りたいなら、メイテックネクスト を通じてアドバイスを受けてみるのも一つの手です。