『どの転職エージェントを使うのが最も年収の期待値が高くなるのか』をご存知でしょうか。
未経験の仕事へ転職する場合にネックとなる年収。転職エージェントの選び方を知っていれば解決できます。
この記事では、未経験からシーケンス制御にチャレンジする人のために、年収の期待値が高い転職エージェントを調査しました。
【前提条件】なぜ転職エージェントなのか

転職といえばリクナビといった転職サイトを利用するのが一般的です。しかし未経験からシーケンス制御設計に転職する場合、次の理由から転職エージェントの利用をおすすめしています。
【転職エージェントを選んだ理由】
- 年収の高い求人が集まりやすい
- 年収交渉が成功しやすく年収アップの可能性が高い
- 専任のアドバイザーから業界のリアルな話を聞ける
理由①:年収の高い求人が集まりやすい
転職サイトよりも転職エージェントに集まる求人のほうが、年収が高い傾向にあります。
転職サイトは間口が広い分だけ応募数は多いものの、応募者の能力や経験がピンキリで採用活動が難しい特徴があります。その分労働条件を低くしても人が集まりやすく、求人の年収は低くなりがちです。
転職エージェントの場合、アドバイザーから推薦を受けた人しか応募できません。応募できる人が限られているため、労働条件が悪いとほとんど応募がないこともザラです。そのため条件を良くして応募者を確保する必要があります。
人材確保のために条件を良くせざるを得ないため、年収の高い求人が集まりやすいのです。
理由②:年収交渉が成功しやすく年収アップの可能性が高い
新卒採用とは違って、転職では年収について交渉できます。交渉が得意な人であれば自分でやることも一つの手です。しかし交渉なんて普段の生活の中でもほとんどしたことがない、というのが本音ではないでしょうか。
交渉に自信がなければ、転職エージェントに代行してもらいましょう。素人よりもプロが交渉したほうが成功率も高く、万が一失敗しても悪印象を与えないように配慮してくれます。
理由③:専任のアドバイザーから業界のリアルな話を聞ける
高年収の企業から内定をもらうためには、業界に関する知識は必須。未経験ゆえに技術の話ができないとしても、業界の実情を把握しておくべきです。しかし、業界の情報なんてどこで勉強すればいいのかわからない人が大半だと思います。
一人では苦労する情報集めも、転職エージェントを利用していれば簡単です。業界のリアルな情報を知っているアドバイザーが、年収相場や企業の内情などを手取り足取り詳しく教えてくれます。
業界に詳しくなることで年収が上がるわけではありません。しかし情報を持つことで、エンジニアを安く使いたい相場を無視した企業に引っかかるリスクを抑えられるのです。
高年収の求人が集まる転職エージェントランキング
ここからは、各転職エージェントが掲載している求人の年収をまとめたランキングを発表します。調査対象は、実務未経験でも応募可能と記載されている求人です。

エージェント名 | 平均年収 |
---|---|
メイテックネクスト | 521.52万円 |
デューダ | 490.26万円 |
マイナビメーカーエージェント | 482.33万円 |
ヒューレックス | 465万円 |
リクルートエージェント | 459.40万円 |
この結果をもとに1位から3位までの転職エージェントの特徴を説明します。
データの集計方法はこちらから確認できます
比較対象の転職エージェント
【転職エージェント一覧】
- メイテックネクスト
- マイナビメーカーエージェント
- doda(デューダ)
- リクルートエージェント
- ヒューレックス
求人データの選定方法
年収データの割り出しに使用する求人は、以下のキーワードに該当するものから抜粋しました。
職種キーワード | 電気設計・シーケンス制御・制御設計・制御盤・電気制御設計 |
フリーワード | PLC・シーケンサー・ラダー回路・シーケンスプログラム・プログラマブルロジックコントローラ |
サンプル数
転職エージェント名 | 有効サンプル求人数 |
---|---|
メイテックネクスト | 23件 |
マイナビメーカーエージェント | 24件 |
ヒューレックス | 30件 |
doda(デューダ) | 60件 |
リクルートエージェント | 51件 |
ランキング用年収の算出方法
想定年収の最低値と最高値を足して2で割った値を年収データとして使用します。たとえば、想定年収が600万円から800万円の場合、その求人の年収は700万円です。

1位:メイテックネクスト【521.52万円】
未経験者向け求人の平均年収が高かったのはメイテックネクストでした。平均年収は521.52万円です。

シーケンス制御も専門に扱う転職エージェント
- 製造系エンジニア向け求人だけなのでミスマッチがない
- 前職でエンジニアの経験を積み、技術も業界も知識が豊富なアドバイザーが在籍
- 大手からベンチャーまで、制御系エンジニアは好条件の会社が多数
メイテックネクストが掲載している、実務未経験者向け求人の平均年収割合は以下のとおりです。

【実務未経験者向けメイテックネクスト掲載求人の年収割合】
- 400万円~449万円(22%)
- 450万円~449万円(18%)
- 550万円~599万円(17%)
- 500万円~549万円(17%)
- 700万円~799万円(9%)
- 600万円~649万円(9%)
- 650万円~699万円(4%)
- 350万円~399万円(4%)
もっとも求人の割合が多い年収帯は400万円~449万円です。民間企業の平均年収450万円に対してやや少ない程度。しかし450万円以上の求人割合が74%もあるため、未経験からスタートしても平均年収越えは難しくなさそうです。
ただし総合型の転職エージェントと比較して、未経験者向けの求人が少ない点には注意してください。とくに完全未経験からの転職には向いていません。関連業種で働いていた人や電気系の学問を専攻していた人向けのサービスだと思って良いでしょう。

2位のデューダと比べて求人数は少ないが、年収とサービスの専門性はピカイチ。
2位:デューダ【490.26万円】
2位はデューダです。平均年収は490.26万円となり500万円を割り込みました。
デューダが掲載している実務未経験者向け求人の平均年収割合は以下のとおりです。


【デューダ:実務未経験者向け掲載求人の年収割合】
- 450万円~499万円(22%)
- 400万円~449万円(20%)
- 500万円~549万円(18%)
- 550万円~599万円(17%)
- 350万円~399万円(7%)
- 600万円~699万円(5%)
- 300万円~349万円(5%)
- 650万円~699万円(3%)
- 800万円~899万円(2%)
- 700万円~799万円(1%)
400万円~600万円台の求人がボリュームゾーンです。1位のメイテックネクストと比べて400万円以下の求人割合が増加しています。そのため求人全体の平均年収が下がる結果となりました。
デューダは総合型の転職エージェントであり、掲載求人数が非常に多いが特徴です。具体的には公開求人だけで18万件以上。メイテックネクストの約18倍もあります。そのため求人の年収幅が広く、完全未経験者向けの求人が集まりやすいのです。
求人の平均年収ではメイテックネクストに負けますが、どの立場の未経験者でも求人を見つけやすい点ではデューダに軍配が挙がります。



メイテックネクストには年収で負けているが、求人の選択肢が多い点はデューダだけの強み。
3位:マイナビメーカーエージェント【482.33万円】
3位はマイナビメーカーエージェントです。シーケンス制御の求人における平均年収は482.33万円という結果になりました。


20代の転職に強みアリ
- 20代向けの求人が豊富
- メーカー系企業で電気制御設計を学べる
- 未経験者を積極的に採用している企業が多い
マイナビメーカーエージェントが掲載している実務未経験者向け求人の平均年収割合は以下のとおりです。


【マイナビメーカーAGENT:実務未経験者向け掲載求人の年収割合】
- 500万円~549万円(21%)
- 450万円~499万円(21%)
- 400万円~449万円(21%)
- 550万円~599万円(17%)
- 350万円~399万円(8%)
- 600万円~649万円(4%)
- 700万円~799万円(4%)
- 300万円~349万円(4%)
求人の多くが400万円~600万円に集中しています。400万円未満の求人数は上位2社と比べて若干多いですね。また800万円以上の求人がない点にも注目。これは調査をしなければわからなかったであろう事実です。
このような結果となった理由は、マイナビメーカーエージェントが20代の転職をメインにしているから。マネジメント経験を必要とする求人が少なく、現場で働くプレイヤー向けの求人がほとんどです。そのため高年収求人の割合が減少したことで、全体の平均年収も下がりました。
考え方を変えれば、電気制御設計に興味を持った20代の人にオススメできるサービスともいえます。
【マイナビメーカーエージェントで転職するメリット】
- 未経験スタートでも年収400万円~600万円
- 20代は希望に近い仕事を見つけやすい
若いうちに手に職をつけて永く稼いでいきたい、と考えている人にメリットが多い転職エージェントですね。



30代以降だと利用するメリットはないが、20代ならメイテックネクストにもデューダにも負けない求人が見つかるかも。
【結論】未経験でも年収を重視するならメイテックネクストかデューダ


今回の調査結果をもとに導き出した結論は次のとおりです。
- 少しでも年収の高い会社で働きたいなら『メイテックネクスト』
- 働きやすさを求めるなら『デューダ』


年収を追うならメイテックネクスト


未経験とはいえ生活に困るほどの低賃金で働くのは困りますよね。いくら興味のある仕事とはいえ、多くのお金を貰えることに越したことはありません。
お金とやりがいを両立するなら、未経験者向け求人の平均年収ナンバーワンの
年収の高い求人が多いだけあって、未経験者募集であっても企業が求める人材へのハードルは高め。マイペースに働くというよりは、ガンガン仕事をこなしながらスキルを身に着けていくといった働き方になるでしょう。
しかし本気でシーケンス制御設計にチャレンジする決心した人なら、むしろやりごたえがあると思えるかもしれません。バリバリ働いてスキルも収入も上げていく仕事をしたいなら、
働きやすい環境を求めるならデューダ


年収を重視した仕事選びにはデメリットがあります。年収の高い仕事の多くは、都市部や製造業が盛んな地域に集中している点です。これは家庭の事情で引っ越しをしたくない人にとっては、大きなデメリットではないでしょうか。
メイテックネクストの掲載求人は高年収が多いです。しかし働きたい地域で仕事が見つからなかったら利用するメリットはありません。そのためメイテックネクストで希望する求人が見つからない場合は
掲載求人の平均年収はメイテックネクストには負けるものの、取り扱う求人の数と地域の広さは圧勝です。働きたい場所でやりたい仕事をやりつつも年収も重視したい、このように考えている人は
デューダでも求人が見つからない場合は、より地方求人へ特化した
実務未経験OKの求人は応募条件に注意
一通りの結果を見たうえで「実務未経験でも500万円以上の求人があるのはなぜ?」と思った人もいるのではないでしょうか。その理由は、電気制御設計以外のスキルが年収に反映されるからです。
年収600万円以上は『英語』が必須
最もわかりやすい例が英語ですね。ビジネス会話レベルの英語を話せて海外在中も可能なら、実務未経験でも応募できる600万円以上の電気制御設計求人があふれています。
ほとんどの場合、応募条件に『TOIEC〇〇〇点以上』といった記述があるはずです。TOEICについて記述がない場合でも、職務経歴書で英会話スキルを確認されます。
600万円以上の壁は高いですが、語学力に自信があって海外勤務をいとわない人であればチャレンジする価値はあるでしょう。
年収450万円~600万円は電気制御設計に活用できるスキルが必要
機械配線の経験があったりPLCを触れたことのある人は、年収の高い求人に応募できるチャンスです。電気制御設計に直接活かせる経験は高く評価される傾向にあります。
他にも生産技術や機械設計など、間接的に電気制御設計とかかわりを持つ職種からの転職も評価されやすいです。間接的なスキルほど自己アピールが難しくなるため、転職エージェントのアドバイザーを通じて自身の強みを言語化しておくことが転職成功のキモとなります。
年収400万円~500万円は学生時代に電気系を学んでいた経験が使える
学生時代に電気系を学んでいた人も、スキルを評価されやすい傾向にあります。工業高校、高専、理系大学などの出身であれば、シーケンス制御や電気制御設計がわからなくても採用をしている企業も多いです。
電気系の学問を専攻していなかったとしても、理系出身ならチャンスはあります。応募してみたら選考に進ませてくれる企業はゼロではないため、あきらめないことが肝心です。
年収400万円以下の求人は完全未経験者歓迎の求人がほとんど
なにも考えずに年収の高い転職エージェントを選んでしまうと、ほとんど求人が見つからないといった状況に陥るかもしれません。応募すらできないといった事態になります。