PLCを扱うシーケンス制御屋が食いっぱぐれない理由と将来性について

シーケンス制御屋が食いっぱぐれない理由と将来性(アイキャッチ)

シーケンス制御はやりがいがあり、他にとって代えられない貴重なスキルが身につく仕事です。

未経験からシーケンス制御エンジニアへ転職を考えている方が数多くいる業界でもあります。

しかしニッチな業界なので、内情を知っている人が少なく業界の将来性に不安を持つ方も多いです。

この記事では、「シーケンス制御にチャレンジしたい、でも業界の将来性ってどうなの?」という人のために、業界の将来性について解説します。

シーケンス制御を10年以上経験した管理人の経験談です。採用にも携わっているので、より突っ込んだ内容まで紹介しています。

この記事でわかること
  • PLCを使ったシーケンス制御に置き換わる技術はないため、将来性を悲観する必要がない
  • 「人手不足」「若年層のものづくり離れ」が深刻なので市場が飽和しない
  • 転職に強いスキルが身につくので簡単に会社を変えられる
目次

PLCを使ったシーケンス制御に置き換わる技術はないため、将来性が担保されている

三菱plcシーケンス制御ガラパゴス

PLCを使ったシーケンス制御に将来性がある理由は、他に有力な技術が登場していないから。

次の3つの理由から、当面はPLCを使ったシーケンス制御の将来性が担保されている説明がつきます。

PLCを使ったシーケンス制御が強い理由
  • 実績が多く導入リスクが低い
  • コストの面で置き換えが難しい
  • PLCが時代に合わせて進化している

実績が多く導入リスクが低い

PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)が登場して60年あまりで、現在では大量の設備に導入されています。

今では誰でもパソコンひとつで、簡単にシーケンス制御を実現できるようになりました。

60年という時間が築いた「一般化された技術」こそ、PLCを使ったシーケンス制御の強みです。

設備を導入する企業側としては、生産ストップのリスク低減を図るため専用品よりも汎用品を好みます。

そのため、保全対応が簡単なPLCを使ったシーケンス制御が廃れることはありません

コストの面で置き換えが難しい

実際には置き換えるための技術が開発されていますが、コストの面でPLCに勝てずに廃れている現状です。

少数しか生産されない最新機器よりも、大量に生産されるPLCのほうがコスト面で安く済みます。

企業側としてはわざわざ高いコストをかけて、高いリスクをとる理由がありません。

そのため、安価で実績のあるPLCを使ったシーケンス制御が使い続けられているのです。

PLCが時代にあわせて進化している

もしPLCが単純なリレー制御の再現しかできなかったら、シーケンス制御は廃れていたかもしれません。

時代のニーズに合わせて進化を続けた結果、PLCは驚くべき進化を遂げました。

数値演算、フィールドネットワーク、A/D変換など、以前と比べできることが膨大に増えたのです。

PLCにできないことがほとんどどないため、わざわざ他の技術に置き換える必要性がなくなってきています

シーケンス制御屋が食いっぱぐれない3つの理由

シーケンス制御屋が食いっぱぐれない3つの理由

次に考えたいのは、食いっぱぐれない仕事なのかどうかです。

結論を言うと、食いっぱぐれません。しかも競合相手はほとんどいません。

シーケンス制御屋が食いっぱぐれない理由
  • 人手不足
  • 若年層のモノづくり離れ
  • 転職先が豊富

理由①:人手不足

私が10年前にシーケンス制御屋になったときから、人材不足は顕著でした。

2022年になっても人手不足は解消されていません。

なぜこれほど人が集まらないのか。その理由は次にあると考えています。

  • ニッチすぎる
  • 電気を学んだ人しかできないと勘違いされている
  • 業界情報が少ない

シーケンス制御業界がニッチすぎる

まず、シーケンス制御業界の認知度は低いと言わざるを得ません。

学業としてシーケンス制御をメインに扱う学生がおらず、新卒からシーケンス制御屋を目指す人がいないから。

以下のやりとりは、シーケンス制御の認知度について意見を募集したときのものです。

実際、シーケンス制御業界は未経験からスタートする人が多い業界です。

そのためシーケンス制御エンジニアを目指して転職をする方にとっては、チャンスの多い環境であるともいえます。

電気を学んだ人しかできないと勘違いされている

他部署のメンバーをスカウトした際に、全員が口をそろえて

電気を学んだことがないから無理

と返事をしました。

シーケンス制御は電気がわからないとできない、と考えているようです。

電気のことを何も知らなくても、シーケンス制御エンジニアにはなれます。

電気の知識があるに越したことはないですが、ゼロスタートでやりながら覚えていった人ばかりです。

知識がないとシーケンス制御エンジニアになれない、といったことは無いので安心してチャレンジしてください

業界情報が少ない

シーケンス制御業界の情報は、ほとんど流通していません。

ブログの流行にともない業界内の情報が出回るようになりましたが、内情までは不足気味です。

技術を解説したブログは多くあれども、業界の事情について書いたサイトはほとんどありません。

シーケンス制御業界に興味を持った未経験者が知りたいのは、年収や仕事内容、会社の選び方、転職方法などの業界情報です。

業界内部の不透明さが、シーケンス制御屋を敬遠させる一つの原因になっています。

理由②:若年層のモノづくり離れ

シーケンス制御屋が食いっぱぐれない理由の一つに、若年層の製造業離れが関係しています。

引用元:厚生労働省

ものづくりに関わる若年層の労働人口は、2,000年以降右肩下がりです。

「きつい」「汚い」「危険」の代表でもある製造業は、若年層にとって魅力がなくなりました。

しかし、若年層の製造業離れにこそチャンスが隠れています

若年層の製造業離れにより発生するシーケンス制御屋のチャンス
  • 工場の自動化で仕事が増える
  • 機械の保守、改造の仕事が増える

工場の自動化で仕事が増える

労働者を確保できない分は機械にやらせるしかありません。

どの工場でも機械を使った自動化に頼らざるを得ない状況であり、工場の自動化はこれから先のトレンドです。

若年層の製造業離れによる設備導入が続くことを考えれば、シーケンス制御屋の需要がなくなることはありません。

機械の保守・メンテナンス需要が増える

シーケンス制御屋には、保全やサービスエンジニアとしての需要もあります。

保全のシーケンス制御屋は、設備トラブルによる損失を最小限に留めるデバッガーのような存在です。

トラブルの原因を経験と知識を使って特定し、適切な修理を施すスキルが求められます。

生産の自動化が進むとトラブルの発生頻度も増えるので、メンテナンス業務としてのシーケンス制御屋の需要は尽きません

理由③:転職先が豊富

シーケンス制御屋は、どの会社からも引っ張りだこです。

シーケンス制御屋が転職に強い理由
  • 幅広い職種に仕事がある
  • どこも人手不足

幅広い職種で人手不足

シーケンス制御屋といえば、新しく機械設備を作る仕事だと想像する人が多いはず。

しかし、シーケンス制御屋の仕事は多岐にわたります。

  • 新規設備の設計
  • 設備保全
  • サービスエンジニア
  • フリーランス

私は過去に、新規設備の設計とサービスエンジニアを経験しています。

どちらも常に人手不足の状況で、即戦力として重宝されていました。

新規設計は数をこなすために忙しかったし、サービスエンジニアは不定形業務が多くて忙しく働いていました。

フリーランスの経験もあります。

知り合いの会社から「シーケンス制御屋がいなくて納期に間に合わない」と連絡を受け、作業応援をしました。

ただでさえ少ないシーケンス制御屋が出払っていたため、依頼できる人がいなかったとのことです。

保全関係の人手不足も深刻です。

自動車メーカーの保全担当者から話を聞くと、「人手不足で手が回らない」と言われます。

24時間稼働が当たり前の生産ラインでは、保全の重要性が過去にも増しているようです。

過去に色々な経験をしたおかげで、幅広い職種でシーケンス制御屋が足りていない現状を身をもって知りました。

働く先がこれだけあれば、食いっぱぐれることはないでしょう。

ただし、シーケンス制御の仕事は難しいところもある

シーケンス制御屋の難しいところ

需要があって食いっぱぐれないとなれば、シーケンス制御エンジニアは将来有望な仕事だと思いますよね。

しかし次のことを覚悟しておかないと、シーケンス制御エンジニアを続けるのは難しいです。

シーケンス制御屋が覚悟しておくこと
  1. 納期のプレッシャーと戦うこと
  2. 知識をアップデートし続けること
  3. 範囲外の分野を学ぶ熱心さを持つこと

①納期のプレッシャーと戦うこと

シーケンス制御屋は、納期という強いプレッシャーを背負って働く仕事です。

与えられた時間内に何がなんでもやりきれる人でないと、シーケンス制御屋になるのは難しいでしょう。

担当する設備で納期遅延を起こせば、客先だけではなく、他のメーカーにも多大な迷惑がかかります。

シーケンス制御屋は、実力がすべての仕事です。決まった納期までに機械を仕上げるスキルが求められます。

製造業において、納期遅延は最悪の不手際です。

②知識をアップデートし続けること

シーケンス制御は、常に知識のアップデートが必要です。

シーケンス制御エンジニアに求められる技術は日々変化しており、今ではネットワークの領域まで広がりつつあります。

さらにPLCの高性能化に伴い、コンピュータプログラミング言語であるLinuxやPythonに対応した製品も登場。

シーケンス制御にコンピュータプログラミングが必須となる時代も目前です。

基本がわかれば食っていける時代は終わりました。今は、知識をアップデートし続けられる人だけが生き残れる世界です。

私は自宅でシーケンス制御の最新技術を予習しています。

③範囲外の分野も学ぶ熱心さを持つこと

機械構造やロボットなどの分野についても勉強する必要があります。

ラダー回路の知識があっても、機械の性能を引き出せるとは限らないからです。

動作ひとつにおいても、動力源が違えばベストな制御方法は変わります。

機械構造について学ぶ姿勢がシーケンス制御屋には必要です。

シーケンス制御だけに特化している人で、優秀なエンジニアはいません。

いろいろなスキルが身につくので、エンジニアとしての価値がより高まります。

シーケンス制御業界の将来性をもっと知りたければ、現場の声を聞いてみよう

シーケンス業界情報は転職エージェントのアドバイザーから聞き出す方法がオススメ

ここまで読んでも「本当に大丈夫かな?」と感じる方は、現場の声を聞いてみることをおすすめします。

現場の声とは、実際に企業と情報交換をしている転職エージェントのアドバイザーです。

主に世界中の自動車メーカーを相手にした場合の需要をもとにした内容なので、他業界では事情が異なるかもしれません。

あなたの目指すシーケンス制御エンジニアの姿によっては、各業界の内情に精通したプロからアドバイスを受けるべきです。

どのアドバイザーがシーケンス制御業界に強い?

転職エージェントにも得手不得手があり、アドバイスを受けるならシーケンス制御業界に強いアドバイザーを選びましょう

特にシーケンス制御業界について詳しいのがメイテックネクストです。

製造系エンジニア専業の転職エージェントで、元エンジニアのアドバイザーが業界について詳しく教えてくれます。

無料で利用できるため、アドバイスを受けるために活用しても問題ありません。

メイテックネクストの詳しい情報や、未経験者向けの転職エージェントを知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。

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