【資格より英語】転職したい制御設計者はTOEIC500点を取るべき理由

制御設計エンジニアの転職において、資格は有利に働きます。

採用確率が上がったり、年収を上げるために資格が役に立つからです。

転職のために改めて資格を取るなら、何が最も効率が良いのでしょうか？

電気工事士？電気主任技術者？技能士？

いずれも転職先で評価される資格ですが、実は資格より簡単で評価されるスキルがあります。

答えは英語です。

昨今の制御設計エンジニアには、技能だけでなく海外でも活躍できる人材が求められています。

転職で年収を上げるなら、実は英語力を身につけるのが最もコスパの良い選択かもしれません。

なぜ資格よりも英語力が重視されているのか

技術力以外で制御設計エンジニアに求めれられているセカンドスキル。

それは英語力です。

求人によっては、資格よりも英語を操れる人材のほうが重宝されることも多々あります。

ではなぜ技能資格よりも英語力のほうを重要視する企業が増えたのでしょうか？

原因は、工作機械の内需と外需の変化に理由があります。

工作機械産業における内需の減少と輸出量の増加が原因

引用元：わが国工作機械産業の需給実績と見通し

日本国内での工作機械需要は年々減少しています。

その理由として、

• 人口減少による日本市場での需要減
• 海外市場の需要は安定している
• 海外工場で生産したほうがコストが低い

が挙げられます。

人口減少による日本市場での需要減

引用元：人口推計令和5年7月報 総務省統計局

日本の総人口は2009年以降、14年連続で減少しています。

また出生数も減少の一途を辿っており、人口減少に歯止めがかからない状況です。

人口が少なければそれだけ内需も減少するため、国内向けに生産するメリットはありません。

そのため多くの企業は海外へ活路を見出し、海外への販売に力を入れ始めています。

海外市場での需要は安定している

引用元：わが国工作機械産業の需給実績と見通し

内需は現象しているものの、海外市場での需要は安定しています。

2020年はコロナウイルスによる影響で減少していますが、2021年にはほぼ回復。

市場が大きく受注も安定しているため、海外事業で稼ぐのが合理的な環境となっています。

海外工場で生産したほうがコストが低い

外需の増加にともない問題になるのが製造コストの高騰です。

日本国内で製造して海外へ輸出する方法は、コスト面でデメリットが大きくなりがち。

この問題を解決する方法として、販売地域の海外工場で生産し国内で販売する地産地消が採用されています。

他にも物価の安い地域で生産し、近隣諸国へ輸出する方法も有効な手段です。

内需よりも外需が伸びており市場も大きいため、海外での生産はより加速していきます。

海外工場で生産を効率化するためには、英語でコミュニケーションがとれる制御設計エンジニアの存在が不可欠です。

どのくらいの英語力が必要か？

一口に英語力といっても、基準は様々です。

ビジネスで英語力の指標にされるのがTOEIC。点数をもとに英語力を判断します。

英語を必須とする求人要件には、だいたいTOEICの必要点数が記載されているはずです。

ここではTOEICを初めて聞いた人向けに、点数と英語力の関係について説明します。

最低限の日常会話ができるレベル(TOEIC400)

最低限の意思疎通ができ、ゆっくり話してもらえばなんとか聞き取れるレベル。

TOEIC400点を求める企業のほとんどが、海外出張がある点を理由としています。

仕事上では客先や自社の現地スタッフが通訳してくれるので、言葉の壁で困ることはありません。

とはいえ、現地で最低限生活できるだけの能力は欲しいということだと思われます。

よほど英語に苦手意識がなければ、ほとんどの人が取れる点数です。

日常会話ならスムーズにできるレベル(TOEIC500点)

TOEIC500点は中級レベルとされており、ある程度勉強しないと取れない点数です。

TOEIC PROFICENCY SCALEでは以下の評価となっています。

日常生活のニーズを充足し限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる。

https://www.iibc-global.org/hubfs/library/default/toeic/official_data/lr/pdf/proficiency.pdf

英語を必須とする求人の多くは、500点以上を求めています。

日常的に業務内で英語を使用する職場なら、500点程度の英語力が必要なのは妥当だといえるでしょう。

ビジネスで最低限コミュニケーションがとれるレベル(TOEIC600点)

TOEIC600点は、TOEIC受験者の平均点ぐらいの英語力です。

流暢ではないものの、円滑にコミュニケーションが取れるレベルです。

日本人の平均より高い能力を有しているため、自身のスキルとして履歴書に堂々と書けます。

600点以上の制御設計エンジニアはそういないため、転職活動において有利に働くのは間違いありません。

日常会話、ビジネスともにスムーズにコミュニケーションが取れるレベル(TOEIC700点)

TOEIC700点もあれば、日常会話および業務上でのコミュニケーションで困ることはありません。

多少は流暢さに欠けるものの、問題のない範囲です。

700点以上を求める企業は、海外赴任や駐在を前提で人材採用をおこなっています。

採用後は海外在中となる可能性が高いため、この点についても留意しておくべきでしょう。

英語力と年収の関係

どのくらい英語ができれば稼げるのか。

ここでは以下の転職サイトの求人をもとに、TOEICの点数と年収の相関を算出しました。

メイテックネクスト	製造系エンジニア専門の転職サイト。
JACリクルートメント	外資系企業メインの高年収求人専門の転職サイト。
マイナビメーカーエージェント	メーカー企業専門の20代向け転職サイト。
doda	多種多様な業種・職種を扱う総合転職サイト。
リクルートエージェント	最も求人数が多い転職サイトのひとつ。
ヒューレックス	地方企業の求人を専門に扱う転職サイト。

英語必須の求人全体

平均年収	624.84万円
中央値	625万円
最低値平均	463.50万円
最高値平均	786.17万円

年収帯	割合
250万円〜299万円	0.5％
300万円〜349万円	1.6％
350万円〜399万円	2.7％
400万円〜449万円	2.2％
450万円〜499万円	4.3％
500万円〜549万円	11.3％
550万円〜599万円	17.7％
600万円〜649万円	12.9％
650万円〜699万円	18.3％
700万円〜799万円	18.8％
800万円〜899万円	6.5％
900万円〜999万円	2.2％
1,000万円以上	1.1％

TOEIC400〜499点

年収帯	割合
250万円〜299万円	3％
300万円〜349万円	8％
350万円〜399万円	3％
400万円〜449万円	5％
450万円〜499万円	6％
500万円〜549万円	17％
550万円〜599万円	19％
600万円〜649万円	11％
650万円〜699万円	11％
700万円〜799万円	11％
900万円〜999万円	3％
1,000万円以上	3％

TOEIC500〜599点

年収帯	割合
350万円〜399万円	3％
400万円〜449万円	1％
450万円〜499万円	6％
500万円〜549万円	12％
550万円〜599万円	24％
600万円〜649万円	14％
650万円〜699万円	13％
700万円〜799万円	16％
800万円〜899万円	9％
900万円〜999万円	1％
1,000万円以上	1％

TOEIC600〜699点

年収帯	割合
350万円〜399万円	3％
400万円〜449万円	2％
450万円〜499万円	3％
500万円〜549万円	9％
550万円〜599万円	11％
600万円〜649万円	13％
650万円〜699万円	28％
700万円〜799万円	22％
800万円〜899万円	6％
900万円〜999万円	3％

TOEIC700点以上

年収帯	割合
500万円〜549万円	8％
550万円〜599万円	15％
600万円〜649万円	8％
650万円〜699万円	15％
700万円〜799万円	39％
800万円〜899万円	15％

制御設計エンジニアの転職で最もコスパが良いのはTOEIC500点

平均年収が600万円を超えることから、英語ができる人材の市場価値は高いようです。

英語力があるほど転職で有利に働きますが、効率を求めるならTOEIC500点を目指すのが効率的です。

その理由は、

• 保有スキルとして履歴書に書けるボーダーライン
• 500点以上を必須とする求人が多い
• 年収アップの期待値上昇に対して短い学習時間で済む

だからです。

年収を上げるために何をすればいいのかわからない人は、TOEIC500点を取得しましょう。

500点獲得に必要な勉強時間は200時間程度

一般的に500点取得に必要な勉強時間は、約200時間程度といわれています。

これは第二種電気工事士の資格取得に必要な勉強時間と同じくらいです。

具体的には知識ゼロから1日2時間勉強を続ければ100日(3ヶ月ちょい)で達成できる難易度。

中学、高校レベルの基礎英語が理解できている状態なら、勉強時間はより短く済むと思います。

3～4ヶ月の勉強で年収を大幅にアップできるスキルはそうありません。

英語を活かせる求人を保有している制御設計エンジニア向け転職サイト

転職活動において、転職サイト選びは最も重要な要素です。

ここで選択を間違えてしまうと、せっかくの英語力をお金に変えることができません。

英語を使う求人があり、制御設計エンジニアの転職事情にも詳しい転職サイトを使うべきです。

ここでは、統計に利用した各転職サイトの情報について詳しく説明していきます。

マイナビメーカーエージェント【682.93万円】

利用料金	すべて無料
運営会社	株式会社マイナビ
公式URL	https://mynavi-agent.jp/maker
保有求人数	約13,000件以上
対応地域	全国(関東・関西がメイン)
登録方法	オンライン登録

(更新：2023年10月時点)

マイナビメーカーエージェントは、20代向けのメーカー系求人を主とする転職サイトです。

英語を必要とする求人の平均年収は683.93万円であり、20代から圧倒的高年収を目指せます。

年収帯	割合
550万円〜599万円	14％
600万円〜649万円	26％
650万円〜699万円	20％
700万円〜799万円	28％
800万円〜899万円	6％
900万円〜999万円	3％
1,000万円以上	3％

最も多い年収帯は700万円台と非常に高額。

20代で英語ができる制御設計人材は貴重なため、高待遇の求人が集まりやすいといえます。

年収を上げるためなら、海外出張も赴任もいとわない人にとって理想の転職サイトかもしれません。

英語が得意な制御設計エンジニアなら、チャレンジしてみる価値は高いでしょう。

※マイナビのプロモーションを含みます。

doda【669.78万円】

利用料金	すべて無料
運営会社	パーソルキャリア株式会社
公式URL	https://doda.jp
保有求人数	約200,000件以上
対応地域	全国
登録方法	オンライン登録

(更新：2023年10月時点)

dodaは幅広い業界や職種の求人を扱う、総合転職サイトのひとつです。

英語が必須の求人は大手企業がほとんどで、待遇も良い傾向にあります。

求められる英語力は高いものの、対価として年収669.78万円は高額だといえるでしょう。

年収帯	割合
500万円〜549万円	9％
550万円〜599万円	16％
600万円〜649万円	14％
650万円〜699万円	30％
700万円〜799万円	20％
800万円〜899万円	7％
900万円〜999万円	2％
1,000万円以上	2％

600万円後半から700万円前半の年収帯が多くを占めています。

マイナビメーカーエージェントとは違って、年代を限定しない求人が多いのが特徴。

英語ができる制御設計エンジニアなら、誰でも年収アップのチャンスがあります。

条件の良い求人が多い分、TOEICの点数が応募条件になっている点には注意。

応募条件で足切りされないためにも、TOEIC500点以上の取得を推奨します。

メイテックネクスト【645.83万円】

利用料金	すべて無料
運営会社	株式会社メイテックネクスト
サービス開始時期	2006年
公式URL	https://www.m-next.jp
保有求人数	約27,000件以上
対応地域	全国
登録方法	オンライン登録

(更新：2024年11月時点)

メイテックネクストは製造系エンジニアの転職を専門に扱う転職サイトです。

海外出張や海外工場とのコミュニケーションで英語を必要とする求人がメイン。

国内勤務でも英語力を活かして年収645万円を目指したい人におすすめです。

年収帯	割合
450万円〜499万円	7％
500万円〜549万円	3％
550万円〜599万円	35％
600万円〜649万円	7％
650万円〜699万円	7％
700万円〜799万円	31％
800万円〜899万円	7％
900万円〜999万円	3％

550万円から599万円台の年収帯に求人が集中しています。

国内勤務の求人がメインなので、海外赴任よりも年収面で劣るのは仕方ありません。

とはいえ、海外赴任はハードルが高いと感じて転職を躊躇する人もいるでしょう。

国内勤務メインであれば、それほど負担なく英語力を活かしながら高年収を狙えます。

「年単位での海外赴任は無理だけど、数週間の出張くらいなら全然OK！」

メイテックネクストには、このような人に向いている求人が揃っている転職サイトです。

リクルートエージェント【625.76万円】

利用料金	すべて無料
運営会社	株式会社リクルート
公式URL	https://www.r-agent.com
保有求人数	約600,000件以上
対応地域	全国
登録方法	オンライン登録

(更新：2023年10月時点)

リクルートエージェントは、多種多様な業界や職種の求人を扱う総合型の転職サイトです。

同タイプのdodaよりも平均年収は劣るものの、求人数はリクルートエージェントに軍配が上がります。

求人は全体で60万件以上。

母数が多いため、英語を活かせる制御設計エンジニア求人を見つけやすい点が強みです。

年収帯	割合
350万円〜399万円	5％
400万円〜449万円	5％
450万円〜499万円	4％
500万円〜549万円	11％
550万円〜599万円	16％
600万円〜649万円	11％
650万円〜699万円	22％
700万円〜799万円	13％
800万円〜899万円	11％
900万円〜999万円	2％

他の高年収転職サイトと比較して、求人の年収帯に大きなばらつきがあります。

年収600万円以上の高年収求人はあるものの、全体の6割程度と他と比べて少なめです。

しかし高年収帯の求人が少ないからといって、利用しないのはもったいないかもしれません。

求人の見極めができれば、十分に活用する余地があるからです。

じっくり時間をかけて転職活動に励みたい人なら、選択肢が多く取れる有用な転職サイトだといえるでしょう。

ヒューレックス【483.55万円】

利用料金	すべて無料
運営会社	ヒューレックス株式会社
公式URL	https://www.hurex.jp
保有求人数	約20,000件
対応地域	全国(東北地方がメイン)
登録方法	オンライン登録

(更新：2023年10月時点)

ヒューレックスは地方で活躍する企業の求人をメインに扱う転職サイトです。

海外進出を積極的におこなっている地方企業も多く、他では取り扱いのない求人に出会える点が強み。

ただし地域の物価差の問題で、求人全体の平均年収は低い傾向にあります。

年収帯	割合
250万円〜299万円	3％
300万円〜349万円	9％
350万円〜399万円	9％
400万円〜449万円	6％
450万円〜499万円	12％
500万円〜549万円	34％
550万円〜599万円	12％
600万円〜649万円	6％
650万円〜699万円	6％
700万円～799万円	3%

求人の年収帯を見ると分かるとおり、全体的に年収は低めです。

それでも一部は年収600万円以上の求人もあり、選別さえすれば高年収求人にアクセスできます。

年収が低いとはいえ、他の転職サイトでは取り扱っていない求人に出会えることも事実です。

「多少の年収は犠牲にしても働きたい地域がある」

といった事情を抱えているならヒューレックスを選択肢にいれるのも良いでしょう。

英語ができる人はハイクラス転職サイトでグローバル企業への転職もアリ

英語が得意な人向けに、グローバル企業の求人をメインに扱うハイクラス転職サイトがおすすめです。

国内大手や外資系企業の求人がほとんど。

先に紹介した5つの転職サイトよりも高い年収が期待できます。

ハイクラス転職サイトの中でも、英語を活かした転職に強いのがJACリクルートメントです。

JACリクルートメント

JACリクルートメントは、グローバル企業の求人を扱う転職サイトです。

ハイクラス転職を得意としており、年収1,000万円超えの求人を多数保有しています。

求人は基本的に非公開。アドバイザーからの紹介を受けないとアクセスできません。

一部の公開されている求人を見る限り、年収800万円〜1,000万円以上がほとんど。

英語力不問の求人もありますが、中級以上の英語力が必要であることが多く応募条件は厳しめです。

年収1,000万円を超えるエンジニアを目指すなら、利用して見る価値は大いにあると思います。

制御設計エンジニアが転職で年収を上げたいなら英語力を磨こう

制御設計エンジニアが転職で年収を上げるなら、英語力を磨きましょう。

具体的にはTOEIC500点以上を狙うのがベスト。

勉強にかかる手間が小さい割に、年収へ与える影響が大きいからです。

平均年収	624.84万円
中央値	625万円
最低値平均	463.50万円
最高値平均	786.17万円

500点以上を応募要件にしている求人なら、平均年収624万円前後は堅いでしょう。

また500点を境に求人数が増加する傾向にあるため、選択肢も増えます。

そんなTOEIC500点に必要な勉強時間は約200時間。

これは第二種電気工事士に必要な勉強時間と同じくらいです。

3ヶ月から半年程度、本気で取り組めば誰でも到達できる難易度。

それにもかかわらず、転職で年収を上げる手段として非常にコスパが良いのです。

と考えているなら、TOEICを受験して500点以上の取得をおすすめします。

短時間の勉強で済む割に、年収アップに対して効果が大きい方法は他にありません。

参考書は2〜3,000円程度で購入でき、TOEIC受験料は8,000円ほど。

1万円程度の投資で年収を3〜500万円も上げられるなら、安い買い物ではないでしょうか。

もちろんまじめに勉強へ取り組まないといけませんが、チャレンジする価値はあると思います。

英語ができる制御設計エンジニアは貴重な存在です。

転職を検討しているなら、TOEIC500点以上を履歴書に書けるようにしておきましょう。