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制御盤屋はなぜ儲からないのか?年収が低い理由と将来性を解説

制御盤屋の平均年収は428.67万円です。

これはサラリーマンの平均年収443万円に劣る金額で、給料が安いのは事実といえます。

給料が安い理由は、付加価値の低い制御盤メーカーがほとんどだからです。

制御盤製作というのは、成熟産業であり差別化も難しくなっています。

弱小制御盤メーカーは、付加価値を生み出すことができず、安売りで勝負するしかありません。

そうなると、忙しいのにも関わらず、社員に払える給与も安くなるのは当然です。

大手制御盤メーカーは、省配線化に加えてロボットでの自動配線を導入しています。

こうなると弱小メーカーは、コストや納期面で勝つことは不可能です。

今後、制御盤業界で覇権を握るのは、自動配線化を導入できるメーカーのみ。

制御盤屋が将来、生き残っていくためには、

  • 自動化を導入している大手制御盤メーカーへの転職
  • 制御設計エンジニアへの転職

しかありません。

大手制御盤メーカーに転職できればベストですが、狭き門でもあります。

もうひとつの選択肢として、需要が多く年収も高い制御設計へ転職するのもありです。

制御盤の設計も制御設計もやっている私の見解では、制御設計へ移ることをおすすめします。

制御盤業界も自動化の流れには逆らえず、制御設計者が重宝される時代になるからです。

このページでは、制御盤屋の将来性を語りつつ、制御設計エンジニアをおすすめする理由を説明していきます。

目次

まずは知っておきたい制御盤屋の平均年収について

制御盤屋の平均年収について、下記の3項目にわけて説明します。

  • 集計方法
  • 結果
  • 結果の詳細(内訳)

求人データの集計方法と分類について

本記事で集計に利用した求人データの内容と分類方法は、以下のとおりです。

求人データの収集元

下記の転職エージェントで掲載されている求人をもとに、データの収集をおこないました。

【年収データ収集に利用した転職サービス】

  • メイテックネクスト
  • doda
  • リクルートエージェント
  • ヒューレックス
  • マイナビメーカーエージェント

求人データの選定方法

以下の募集要項からいずれかを含む求人を、制御盤屋向けとしてカウントしました。

調査した求人の数は合計135社です。

【制御盤屋求人としてカウントする募集要項】

  • 機械配線
  • 制御盤製造
  • 電気配線作業
  • 配線業務
  • 電気制御工事
  • 配線
  • 配線組込

平均年収の割り出し方法

転職エージェントで掲載されている求人の想定年収から、下記の要領で平均年収を割り出します。

【年収データの分類】

平均年収=『想定年収の最高値と最低値を足して2で割った平均値』

各項目の計算方法

【例】想定年収が300~700万円の求人なら…

平均年収は500万円となります。

制御盤屋の平均年収は428.67万円

制御盤屋の年収428.67万円
給与所得者の平均年収443万円
男性給与所得者の平均年収545万円
出典:令和3年分民間給与実態調査

制御盤屋の平均年収は428.67万円という結果となりました。

男女合わせた平均年収が443万円なので、制御盤屋の年収は一般的に給与所得者より低いです。

男性の給与所得者だけに絞った場合、100万円以上も年収に差をつけられています。

この結果から、制御盤屋の給料が安いといわれているのは間違いのない事実です。

求人年収の分布データ

転職エージェントの求人から算出した、制御盤屋の平均年収データを以下に示します。

制御盤屋業界全体の平均年収分布【盤屋の給料が安い理由】
年収レンジ割合(会社数)
250万円から299万円1%(2社)
300万円から349万円9%(12社)
350万円から399万円21%(29社)
400万円から449万円24%(33社)
450万円から499万円25%(34社)
500万円から549万円12%(16社)
550万円から599万円3%(4社)
600万円から699万円4%(5社)
【2023年10月時点】制御盤屋求人全体の平均年収分布一覧

制御盤屋求人の平均年収428万円に対して、最も多い提示年収の求人は450万円から499万円でした。

分布から見るに、年収の中央値も400万円~449万円ぐらいであることもわかります。

500万円以上の求人は2割しかないため、制御盤屋で年収500万円を超えるのはかなり難しいといえるでしょう。

なぜ制御盤屋の給料は安いのか?

制御盤屋は製造業において無くてはならない存在です。

にもかかわらず、なぜこれほどにも給料が安いのでしょうか?

その理由について、いくつかの資料と私の経験をもとに下記の5点にまとめました。

配線の省人化、簡素化が進むと求められるスキルレベルが下がり待遇も悪くなる

昨今では、プッシュイン端子やリモートI/Oを利用した電線接続の合理化が進められています。

  • 配線工数の削減
  • 配線品質の安定
  • 安全性向上

制御盤配線をおこなったことがある人なら、配線合理化設計のラクさについてはご存知でしょう。

プラグインCOMBI端子台

出典:プラグイン端子台|PHOENIX CONTACT

プッシュイン端子はネジ式端子と違い、増し締めにかかる工数をほぼゼロにできます。

つなぐだけ、すぐみえる ネットワーク通信モジュール

出典:ネットワーク通信モジュールNQシリーズ|キーエンス

I/O Link対応センサを使えば、センサ配線の手間も大幅に削減可能です。

配線の省人化に加え、配線の簡素化が進めば、より安い人材が重宝されるのは目に見えています。

中途半端なスキルしか無い制御盤屋は、淘汰されていく運命にあるでしょう。

競合が多く差別化できない会社はいつ潰れるかわからない

制御盤屋は成熟産業であり、差別化が難しい業界です。

陳腐な技術しか持たない会社の多くは、低価格での受注しかできないため、ジリ貧になっていきます。

その最たる例が、コロナショックでの連鎖倒産です。

制御盤屋がいかに苦境だったかを教えてくれる良い書籍があるので紹介しておきます。

Amazonリンクコロナ禍で令和4年に閉業した会社の話:小さな制御盤屋の場合

この書籍は、コロナ禍で制御盤屋がいかに厳しかったかが記されています。

もし制御盤屋の将来性に不安があるなら、一度は読んでおいて損は無いでしょう。

制御盤製造も自動化が進んでおり今後、制御屋が仕事を奪っていくから

制御機器の省人化、モジュール化が進めば、次は自動化が待っています。

ロボットによる自動化が、制御盤組み立ての仕事を奪うのです。

将来、制御盤組み立てを担うのは、ロボット屋や制御屋になるかもしれません。

現在の制御盤組み立ては、まだまだ人の手が必要な仕事です。

しかし、2030年までに組み立て作業の省人化を目指す活動が進められています。

“今”は制御盤屋でも食っていけるかもしれませんが、いずれロボットに仕事を奪われていくことでしょう。

制御盤も制御もできる人材が、今後求められていくのは確実です。

制御盤屋が年収を上げる4つの方法とは

年収の低い制御盤屋ですが、年収を上げる方法は存在します。

方法① 個人事業主として独立する

将来の見通しが厳しい制御盤屋ですが、年収を上げるなら独立も一つの方法です。

個人で仕事を受ければ利益はすべてあなたのもの。

企業がやりたがらない小さい案件なら、個人事業主として食っていくだけの仕事はあります。

ただし次の3要素のうち、ひとつでも欠けているなら独立はおすすめしません。

  1. 制御盤屋としての基礎スキル
  2. 新規顧客を開拓する営業スキル
  3. 2~3年食っていけるだけの生活防衛資金

独立で失敗する人の多いパターンが、営業スキルが無いことです。

仕事を獲得できなければ、どれだけ制御盤屋としてスキルがあっても失敗します。

『制御盤屋は独立して稼げ!』という人がいるようですが、営業が難しい点からおすすめしません。

方法②他社との差別化ができている制御盤会社へ転職する

サラリーマンとして年収をあげたいなら、大手制御盤メーカーへの転職がベストです。

そうそう会社が潰れることはないですし、待遇も圧倒的に良いでしょう。

問題は、転職活動を始める勇気と、大手でも通用するスキルが必要なことです。

この点については、転職エージェントを使えばある程度カバーはできます。

とはいっても、転職できるだけの下地が必要なのは変わりません。

制御盤屋として転職を検討している方は、下記の高年収求人を扱う転職エージェントを利用してみてください。

方法③制御設計エンジニアに転向する

制御盤屋で培ったスキルを活かして、電気制御設計へ転向するのもひとつの手です。

制御設計の平均年収は540.12万円であり、未経験からでも484.93万円なので今以上の年収が期待できます。

制御盤屋の経験があれば、未経験からでも採用される確率は高いです。

制御設計はマイナーなので、なり手がほとんどおらず、競争率は低め。

仕事を変える勇気さえあれば、誰にでもチャンスあります

そんな方をサポートしているのが当サイトです。

制御設計未経験からでも、転職に成功できるよう、ノウハウを掲載しています。

ぜひトップページから制御設計の年収や転職市場について、一度調べてみてください。

転職の相談も受け付けています。未経験からの転職もサポートした経験があるため、おきがるにご相談ください。

2030年までに制御盤屋の給料はこれからもっと下がります

2023年10月現在における制御盤屋の平均年収は428.67万円でした。

今でも高くない年収ですが、省人化が進めばより下落する可能性は高いです。

2030年までにはロボットを利用した制御盤組み立てシステムの実現も、計画されています。

このまま何もしなければ、制御盤屋の将来は暗いと言わざるを得ません。

たとえば、

  • 大手制御盤メーカーに転職する
  • 制御設計エンジニアに転向する

など、私が制御盤屋なら早めに対策していくと思います。

制御盤屋の今を取り巻く環境は、厳しくなる一方です。

間違った決断をして後悔しないよう、ぜひ制御設計への転職も考えてみてください。

その際は、当サイトおよび管理人が力になれると思います。

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